3.韓国ミームを分析!
前章で取り上げた10箇条をもとに、実際に最近韓国で流行っているミームが「なぜ流行ったのか」分析し、10箇条のどれが当てはまっているのかをみていきたいと思います!
①タンフルダンス
こちらは、日本のTikTok音源でも大人気だったため、知っている方も多いかもしれません!
タンフルは韓国語で「フルーツ飴」という意味で、12歳のクリエイターSEO IVE(ソイブ)さんのダンスが元ネタですが、これは10箇条の1,2,3,10に当てはまりそうです。
♬ 마라탕후루(Malatanghulu) – 서이브(SEO EVE)
1.手が止まってしまうポイント作り
▶︎この音源は、いきなりダンスで始まらずに、「先輩!麻辣湯おごってください!」「いいよ、行こう!」という会話劇から始まるのですが、これが他の多くのダンス音源とは違い、ついスワイプの手を止めてしまう理由になっていそうです。
2.トレンド / 時流
▶︎『タンフル(フルーツ飴)』は日本でも人気になっているほどトレンドのフードがモチーフの歌になっています。
3.3つのスピード(理解のスピード / 覚えるスピード / 真似するスピード)
▶︎最初の会話劇と繰り返す”タンフル”という耳残りのいい音で、どういう歌なのか1回で理解でき、覚えることができ、さらに繰り返しがベースの動きなので練習せずとも真似することができます。
10.拍車をかけるアイドルの力
▶︎今回取り上げるミームはすべて、多くの超人気K-POPアイドルたちが便乗しているため、具体的な記載は割愛しますが、「友達が使っているのを見た」だと学生など若者たちの以外には広まりにくいですが、アイドルをフォローしている層は幅広いので、社会現象的になりやすいように思います。
➁「カチカチに凍った漢江の上を猫が歩いています」
これは、韓国のニュース番組でキャスターが読み上げたニュースが音源化され、ダンスがつけられて拡散されたミームです。
韓国の川漢江(ハンガン)が凍り、その上を歩いている猫の映像が「可愛い」と話題になったのがきっかけです。
日本でもよく、動物園のほんわかニュースが取り上げられると「全部これでいい」(=世の中のニュースがすべてこれくらい平和になってほしいの意)といった文章とともににネットで拡散されたりしますが、やはり動物は時代に関係なく強い拡散力を持っていることがわかります。
♬ 한강 고양이 리믹스 – 행복한피자빵 HappyPizzaBread
これは10箇条の3, 4, 5, 6, 9に当てはまりそうです!
3.3つのスピード(理解のスピード / 覚えるスピード / 真似するスピード)
▶︎手のみのダンスで覚えるのも簡単で真似する場所も選びません。
4.アレンジの余白を残したシンプルさ
▶︎この音源の韓国語をカタカナで読むと(ッコンッコン オロブトゥン ハンガン ウィロ コヤンイガ コロダニムニダ)になるのですが、(ッコンッコン オロブトゥン ハンガン ウィロ コヤンイガ カrカ マrカ カrカ マrカ カrカ マrカ カrカ マrカ コミナダ コロタニmニダ)というアレンジverがあります。アレンジverが生まれることでもう1回同じようにタイムラインが盛り上がります。
5.言い訳になってくれる
▶︎このダンスは猫耳を手で作る可愛らしいポーズが特徴的なのですが、文脈なくそのポーズを撮ってアップするのは少し勇気が要ります。そんな時に「この流行っている音源を使いたいから」という理由があるとこういった可愛いポーズをあげやすくなります。
6.骨太インサイト
▶︎「犬猫はかわいい」という超単純だけど超強力なインサイト。
9.元ネタがある
▶︎先述したように、キャスターが読み上げたニュースが音源化されたもの。
③「君Tなの?(ノティア?)」
韓国ではもちろん、日本でも大人気のMBTI(16の性格タイプ診断)で、Tが論理的・理性的と言われているのですが、Tに対して、「君Tなの??(ノティア?)」と返すフレーズが韓国で特に数ヵ月前くらいに流行していました。
例えば、「痩せたいけどスイーツ食べたい〜〜」という言葉に対して、「痩せたいなら食べなきゃいいじゃん」などと、共感ではなく、論理的で無慈悲だったり解決策を示すような返事をした人に対して使います。
#너t야?
これは10箇条の2, 3, 7に当てはまりそうです!
2.トレンド / 時流
▶︎韓国ではもちろん、日本でも大人気のMBTIをモチーフにしています。
3.3つのスピード(理解のスピード / 覚えるスピード / 真似するスピード)
▶MBTIのTに対して「共感力なくない??」といったニュアンスで使うということがすぐにわかります。
7.ネットに留まらない”日常使い”のしやすさ
▶︎日常的にも若者間でMBTIについての会話がたくさんされており、日常的にも会話内に組み込んで使うことができます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
長くなってしまったため前編はここまでとさせていただきます!
後半では、「③韓国ミームを分析!」の4つ目のミームから紹介していきます!
ぜひ、後半もお楽しみください。