HKT48メンバーが架空のユニットに 福岡のローカルCM撮影の裏側

気になるあのCM の演出やキャスティングについてディレクターにインタビュー。今回紹介するのは日本食品「ハカタノカオリダンス」篇だ。

福岡に本社を置く日本食品は6月、同社のあらびきウインナー「博多の薫り」シリーズの発売25 周年を記念したテレビCM「ハカタノカオリダンス」篇を公開した。福岡県と熊本県限定で放映したもので、博多のアイドルグループ「HKT48」の石橋颯・竹本くるみ・立花心良が架空のユニットとして出演している。

日本食品/博多の薫り「ハカタノカオリダンス」篇(30秒)。

CMは暗いスタジオで3人がポーズをとり、ミュージックビデオのような世界観で始まる。「ハカタノカオリ ハカタノカオリ ハカタノカオリ……」とささやき、重低音と共にカメラが寄ると、3人の決め顔と「ハカタノカオリ」の文字が出現。

写真 CM カット 日本食品/博多の薫り「ハカタノカオリダンス」篇
写真 CM カット 日本食品/博多の薫り「ハカタノカオリダンス」篇

 
「かん」と間の抜けた音がすると、画面が一気に明るくなり、「♪ウィウィ ウインナー ハカタノカオリ~」「♪ビキビキ アラビキ ハカタノカオリ~」とコミカルな音楽に合わせて踊りだす。

写真 CM カット 日本食品/博多の薫り「ハカタノカオリダンス」篇
写真 CM カット 日本食品/博多の薫り「ハカタノカオリダンス」篇
写真 CM カット 日本食品/博多の薫り「ハカタノカオリダンス」篇

 
演出を務めたのは、藤本大輔さん。企画の段階では「ブランドの認知を高めるために、25 周年を癖のあるダンスと歌で印象強く伝えていく」という話があった。依頼を受け、当初は2 つの方向性を考えていた。

「ひとつはシュールなダンス、もうひとつはアイドルの可愛さを全面に出すものです。当時、Creepy Nuts の『Bling-Bang-Bang-Born』が流行るなど、連続性のある音楽が受けていたこともあり、リピートのダンスと歌でシュールさのある表現に振り切りました」(藤本さん)。

グラフィック 演出コンテ

演出コンテ。

歌詞は、プランナーの案を採用した。「あらびきの“あら”ではなく“びき”を取るセンスが面白くて、そのまま使いました。音楽は淡々と続くような、脱力感を出せるようなリズムの民謡を採用しています」。

ダンスは、シンプルで誰でも真似できるものに。「外し方として、昭和のアイドルがやっていそうなカクカクとした動きも入れています。また、テストで踊ってもらった時に真剣な様子がシュールに感じたことから、皆さんには無表情で踊ってもらっています。最後は笑顔を見せるのもポイントです」。

トーンの切り替えにもこだわった。「イントロだけで15 秒使って、クールなユニットかと思わせた後、明るさ全開の白バックとチープさの残る音楽に切り替え、お茶の間を裏切る展開としています」(藤本さん)。

<監督プロフィール>

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藤本大輔(ふじもと・だいすけ)

1976 年、福岡生まれ。大学卒業後、3DCGを学び映像業界へ。2001 年、VSQに入社。制作進行を経て、企画演出としてCM 制作に携わったのち、2015 年よりフリーランスに。空気感がある心地よい映像づくりを心がけている。受賞歴はACC ブロンズ、ACC ファイナリスト、ACC 地域ファイナリスト。MADE IN OSAKA CM AWARDS 優秀賞、福岡広告協会賞など。

スタッフリスト

企画制作 文と絵、BIGSTONE
CD+企画 松田正志
AD+D 山下大輔
Pr 大石政治
PM 和田和也、籠田剛人、蛯原未帆、宮古玲大
演出 藤本大輔
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撮影 田畑伸悟、安木寛剛(助手)
照明 渕野公貴、中志貴涼太(助手)
編集 渡辺洋平
カラリスト 飯塚泰雄
音楽 藤井意弘
MA 林政徳
振付 cocoroyen
ST+HM 中島マチコ
AE 野中聡
出演 HKT48(石橋颯・竹本くるみ・立花心良)
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