演出の工夫で「ベタさ」を乗り越える
フジ・コーポレーションは仙台市の郊外、宮城県富谷市に本社があり、タイヤ・ホイール販売ではリーディングカンパニーと言えるプライム市場上場企業です。一般的に、地方企業が全国的に知られたタレントを起用することは多くのメリットがありますが、今回のコミュニケーションが上手くいっている解説をさせて頂きます。取材には、仙台市の広告代理店ICHICOの尾形雄一郎代表にご協力を頂きました。
フジ・コーポレーションが目指すコミュニケーション戦略を実現する上で、大手芸能事務所に所属し、幅広い世代から支持を得ているバナナマンと契約を結ばせていただいたことが大きかったです。また、バナナマンが出演をしている番組にもスポンサーとして提供いただいたことで、より深度の深いコミュニケーションを推進できていると感じています。
幅広い世代からの共感を得るために、今回は、「人気タレント」、「音楽」、「振付ダンス」、「連呼」という、昔ながらのCM手法が用いられていますが、ややもするとベタなCMになりがちなところを、トレンドを牽引する振付師を起用することや細部までこだわるいわゆる「演出ジャンプ」(注)により、楽しい連呼型CMに昇華をさせました。前出の尾形代表によりますと、バナナマンが持つイメージを最大限に引き出すために、東京のクリエーターや関係各社との連携が上手くいったのではないかとのことです。
「タイヤはフジ」のコミュニケーションは、タレントを起用する際の成功事例として高く評価できると思います。バナナマンの起用により、ブランドの認知度向上とイメージ強化に大きく貢献しており、その親しみやすさとユーモアは視聴者の心に深く残ります。この成功を活かし、フジ・コーポレーションのさらなる展開が期待されます。
注)演出ジャンプ:CM監督の技量により、元々の企画を更に良いCMに昇華させること