2500万人市場を狙う 「原酒ソーダ」の新ブランドでRTD需要に対応、キリン

トライアル喚起で市場定着を図る

キリンビールは8月27日、新ブランド「KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香(もりのか)」を全国発売する。香りづけに使用される「ジュニパーベリー」のみで仕上げたジンを使用しており、清涼感のある味わいが特長。拡大傾向のRTD市場の中でも、ウイスキーやジンなどの原酒をソーダで割った「原酒ソーダ」は開拓の余地があるとみている。8~12月の販売目標は約60万ケース(350ml)で、30~40代がターゲットとしている。

すっきりとした甘くない味わいが特長の「KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香」

今回の新ブランドは、粗挽きしたジュニパーベリーを、メルシャン八代不知火蔵の焼酎づくりにも使用する蒸留釜による「ボタニカル浸漬液蒸留」と「蒸気吹込み式蒸留」を掛け合わせて行うことで、清涼感のある香りを引き出している。

近年、食中酒や無糖商品の需要が高まり、RTDのニーズが伸長。同社によると、RTD市場は過去10年で約2倍に拡大しており、2024年1~7月のRTD市場は前年比105%だった。

同社の調べでは、コロナ禍以降は「シンプルさ」「品質」「本質的価値」「必要性」を求める消費傾向が強まっており、RTDにおいては「雑味がない」「クリアな味」「甘くない」「食事に合う」といった要素が求められている。

甘くないRTDの市場規模は前年比116%(1~7月)で推移。飲用者は2500万人以上だが、ハイボールなど原酒を使ったソーダも飲用する人は159万人にとどまり、今後の伸びしろに期待を寄せる。現状の原酒ソーダはウイスキーハイボールが中心で味の種類やブランドが少ない課題があり、新ブランドを新たな選択肢として提示する考えだ。

原酒の中でもジンは、販売量が10年で2.2倍に拡大しているほか、飲用者と非飲用者でイメージギャップが大きく、市場拡大が見込めるとしている。

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