7年目を迎えた『おくる福島民報』、暮らしにまつわるさまざまな価値観を紙面で展開

福島民報は、県外にいる県民に向けて故郷の情報を届けることができる『おくる福島民報』を、8月21日の福島県民の日に実施した。

イメージ 『おくる福島民報』

7年目を迎えた『おくる福島民報』、今年のオリエンテーマは「移住」だった。
「地方移住というと、つい都会と地方とどちらが豊かな人生か?と比べてしまう側面があります。移住を検討する手前でもうちょっと双方の違いを面白がって話せるような、会話のきっかけになる紙面にしたいよね、とチームで話したことから企画が始まっています」と、クリエーティブディレクター 熊谷由紀氏。

キャッチフレーズは「似ているとうれしい。違うとおもしろい。」。

イメージ 『おくる福島民報』

30段の紙面いっぱいに広がるのは、県民に調査した暮らしにまつわるさまざまな価値観だ。20代から20代の県民計500人が「Q.有名になってほしくない福島のいい所は?」「Q.夏が来た!と感じる食べ物は?」「Q.宝くじが当たったら仕事を続ける/仕事を辞める」などの質問に回答。その質問と回答が、カラフルなグラフとイラストと共に展開されている。

「今年は調査結果という手触りのないものをどう豊かに見せるか考えました。
読み物としての見せ方と、ピクトグラムの記号的な表現に個々のモチーフの色が垣間見える絵を加えることで、読む人が『へー』と思いながらも、思わず目で追ってしまう紙面を目指しました」(アートディレクター 小林千秋氏)

質問の内容については、スタッフで議論を重ねたという。
「『前の人のカバンが開いていたら教えるかどうか』『今年いちばん買ってよかったものは?』など移住促進サイトには載らない、日々の暮らしでちょっと気になるよう思考やムードをあぶり出せるような項目を選んでいます。が、予想通りにはなかなかならず、自分自身が地方へ固定化したイメージを抱いていたことに気付かされる結果になりました」(熊谷氏)

イメージ 『おくる福島民報』

イメージ 『おくる福島民報』

2018年にスタートした『おくる福島民報』は、新聞を折ってテープで留めることで郵送可能な形状になる。これまで「里帰り」「イメージの復興」「離れていてもお帰りなさい」「会う約束をおくる」「観光案内になる新聞」「帰っておいで」というテーマで、毎年8月21日に出稿してきた。

「毎年の夏の恒例行事として送り続けてくださる読者の方も多く、中には15通送ってくださる方もいます。今年に関しては『読み応えがある』との反応が多くあり、県外の友人に『こんな県だよ』という紹介代わりに送ったという方もいらっしゃいました。ふるさとを懐かしむだけでなく、新しい福島の魅力発信にも繋がっていければ、と思います」と、熊谷氏。

8月21日の県民の日に合わせ、福島民報社は福島県福島市の観光物産館コラッセふくしまと郡山市の商業施設モルティ1階に『おくる福島民報』ブースを設け、来場者が県内外に住む家族や友人に新聞を贈ることができるようにした。

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スタッフリスト

企画制作 電通+電通東日本+ジェ・シー・スパーク
CD 熊谷由紀
AD 小林千秋
C 姉川伊織、浦田朋佳
企画 長島圭
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D 川上翔大、山本結
Pr 門脇理恵
PM 阿部浩二
AP 原田空輝


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