インサイドセールス トークスクリプトの効果的な作り方

マーケティング、デジマ、クリエイティブにかかわる素朴な疑問・お悩みを解決します!「AdverTimesの基本用語解説」、今回は「インサイドセールス」篇です。

イメージ 女性とpc

「インサイドセールスのトークスクリプトを作成する際の最適な方法を知りたい」

「トークスクリプトを実践する際に気をつけるべきポイントは?」

インサイドセールスのトークスクリプトは、効果的なセールスを実現するための重要なツールです。しかし、どのように作成し、運用すれば最も効果的なのか疑問に思う方も多いでしょう。この記事では、

●一番効果的なトークスクリプトの作成方法
●トークフローの構築方法
●トークスクリプトの実践と改善方法

を順番にご紹介します。この記事をブックマークしておくと、いつでも効果的なトークスクリプトの作成と運用方法にアクセスできるのでおすすめですよ!

トークスクリプトの基本構造

イメージ メモしている様子

そもそも、トークスクリプトとは何か?何のために作るのか?

トークスクリプトとは、もともとは主に営業が顧客に商品を売り込む、「商品の魅力が伝わりやすい勝ちパターンのテンプレ・アンチョコ」みたいなものです。作り方には人によって差がありますが、トークスクリプトの基本構造を理解することで、営業担当者は効率的に顧客とのコミュニケーションを図ることができます。

ターゲット設定と目的設定

トークスクリプトを作成する際の最初のステップは、ターゲットと目的の設定です。これにより、スクリプトが具体的かつ効果的になります。誰にでも使えるトークスクリプトは、言い換えると深く刺さらないことが多いです。基本的には、トークスクリプトは細かく分ければ分けるほど、深く顧客に刺さるものだと考えて大丈夫です。

ターゲット設定:
●顧客の業界
●役職
●課題

目的設定:
●アポイントの獲得
●次回の商談の約束

具体例:
●IT業界の中小企業のCTOをターゲットに、セキュリティソリューションの提案を目的とする。
●製造業の工場長をターゲットに、新しい生産管理システムのデモのアポイントを獲得する。
●医療機器メーカーの購買担当者をターゲットに、最新の機器カタログの送付を目的とする。

インサイドセールスにおけるターゲット・目的設定:
アウトバウンドや直接訪問する場合は、事前にお客様に合わせたトークスクリプトを作りこみますが、インサイドセールスにおいては、ターゲット・目的の設定は、「直近よくかかってくる」お客様に対して、ヒアリングの精度を上げ、アポイントにつなげやすくするために行います。

つまり、目的はヒアリングをして顧客の分類を行うことと、顧客がアポイント対象ならアポイントを獲得することが目的になることが多いです。

そのため、顧客の業界・役職ごとに、スクリプトを構築していくことがおすすめです。

ヒアリング内容の決定

効果的なヒアリングは、顧客のニーズや課題を正確に把握するために不可欠です。

質問のリストアップ:
●ターゲットの特性に基づく質問の計画
●顧客のニーズや課題を引き出す質問の用意

具体例:
●「現在のセキュリティ対策についてお聞かせいただけますか?」
●「生産管理システムに関して、現状の課題や改善点はありますか?」
●「新しい医療機器の導入に関して、どのような要件を重視されていますか?」

インサイドセールスにおけるヒアリング:

インサイドセールスにおいては、ヒアリングが非常に重要です。

どのような情報をどのように聞き出すのか、どのような流れで聞き出すと聞き出せる確率が高いのか、よく考えて設計しましょう。

トークフローの作成

イメージ ホワイトボードに書いている様子

トークフローは、トークスクリプトの中核となる部分であり、会話の流れを効果的に構築するためのシナリオです。

基本的なトークフローの構造

●イントロダクション: 自己紹介と目的の明示
●ヒアリング: 顧客のニーズや課題を引き出す質問
●提案: 顧客のニーズに合わせたソリューションの提案
●クロージング: 次のステップへの誘導やアポイントの取得

具体例:
イントロダクション:
 ○「こんにちは、ABCセキュリティの佐藤と申します。今日は貴社のセキュリティ対策についてご相談させていただきたくお電話いたしました。」

ヒアリング:
 ○「現在、どのようなセキュリティ対策を講じていらっしゃいますか?」
 ○「特にお困りの点や課題があればお聞かせいただけますか?」

提案:
 ○「貴社の課題を踏まえ、当社の最新のセキュリティソリューションをご提案させていただきます。」

クロージング:
 ○「この内容で詳しくご説明するために、来週の火曜日にお時間をいただけませんか?」

トークフローの具体例

トークフローには、顧客の反応に応じた分岐点を設定し、スムーズなトークを実現します。

パターンA: 顧客が関心を示した場合の対応
●顧客が製品に関心を示した場合、詳細な情報提供やデモのスケジュール設定を行います。

パターンB: 顧客が関心を示さなかった場合の対応
●顧客が関心を示さない場合、さらなるヒアリングを行い、潜在的なニーズを引き出します。

分岐点の設定:
●顧客が興味を持つかどうかに応じて、次のトーク内容を調整します。

具体例:
●興味を示した場合:
 ○「ご興味をお持ちいただきありがとうございます。それでは、来週の火曜日に詳細なご説明の機会をいただけますか?」

●興味を示さなかった場合:
 ○「そうですか、では現在のシステムに不満や改善点はございますか?」

分岐点の設定:
 ○「もし具体的な課題がございましたら、ぜひお聞かせください。弊社のソリューションがその解決に役立つかもしれません。」

インサイドセールスのトークフロー構築のポイント:
インサイドセールスにおけるトークフロー構築のポイントは、とにかく次の営業に繋げるためのヒアリングを高い精度で行うことと、商談の獲得です。

注意点として、温度感が高くて良質なお客様の場合、インサイドセールスが挟まっていることで取り逃してしまう可能性があります。「確度と規模が大きければ即営業に渡す」ようなフローも検討してください。

※急ぎの場合、担当営業に即つないで商談してもらえるような流れが構築出来ていると理想です。

そのうえで、ヒアリングを高い精度で行うためには、なるべく細かくヒアリングのフローを定めておきつつ、相手に不快感を与えないようにヒアリングすることが大事です。

また、商談を高い精度で獲得するためには、「この商品はうちの課題に役立ちそうだな」と思ってもらうことが重要なので、「課題」とそれに対する「キラートーク」を磨きこんでください。

具体的なトーク内容の組み込み

イメージ pc操作中の手元

トークフローの骨子に具体的なトーク内容を組み込むことで、実際の会話での使用が容易になります。

顧客からの質問への対応方法

FAQの準備: 顧客からよくある質問とその回答を事前に準備
具体的な事例の提示: 実際の事例やデータを用いて信頼性を高める

具体例:
●「現在のセキュリティ対策にどのような改善点がありますか?」
●「新しいシステムを導入する際のコストはどれくらいですか?」
●「他社の導入事例を教えてください。」

トークスクリプトの実際の使用例

シミュレーション: トークスクリプトを使ったシミュレーションで実践力を養う
フィードバック: 実際の使用後にフィードバックを行い、スクリプトを改善

具体例:
●「新しいセキュリティソリューションの導入により、コスト削減が期待できます。具体的には、毎月の運用コストが約20%削減されます。」
●「このシステムは導入が非常に簡単で、既存のインフラに影響を与えずに統合できます。」
●「先月、A社がこのシステムを導入し、わずか3ヶ月で効率が大幅に向上しました。」

トークスクリプトの実践と改善

実際の営業活動でトークスクリプトを活用し、継続的に改善を行うことが重要です。

トークスクリプトを変えたら必ずアポ率やヒアリング内容の精度などをチェックし、ちょうどよい価値トークスクリプトを構築しましょう!

継続的な改善方法

トークスクリプトは一度作成したら終わりではなく、継続的な見直しと改善が必要です。

定期的な見直し: 定期的にトークスクリプトを見直し、最新の情報を反映
データ分析: トークスクリプトの効果をデータで分析し、改善点を特定

具体例:

●毎月一度、トークスクリプトを見直し、最新の市場動向や顧客のニーズに合わせて更新。
●トークスクリプトの使用結果をデータで分析し、成果が出ている部分とそうでない部分を特定。
●改善点を踏まえて、トークスクリプトを改良し、より効果的なスクリプトにする。

インサイドセールスインタビュー

インサイドセールスの効果を最大化するためには、ひたすらPDCAを繰り返す必要があります。今回は、インサイドセールスを3社で見てきた経験者に話を聞きました。

トークスクリプトの構築における重要なポイント

「トークスクリプトを作成する際の最も重要なポイントは何ですか?」

「まず、顧客のニーズを深く理解することが重要です。顧客の課題や求める解決策を正確に把握し、それに応じた質問や提案をスクリプトに組み込むことが求められます。また、トークスクリプトは柔軟であるべきです。状況に応じてスクリプトを調整し、顧客との対話を自然に進めることが成功の鍵です。」

具体例:
●顧客のニーズ把握: 「現状の課題について教えてください」と尋ねる。
●柔軟な対応: 顧客の回答に応じて次の質問を調整し、より深い情報を引き出す。

成功事例とその要因

「インサイドセールスでの成功事例を教えてください。」

「ある金融ソリューション企業では、トークスクリプトを改善することで商談率が15%向上しました。とにかく、ヒアリングをしたうえでお客様に合わせた提案をぶつけるようにしたことが成功要因です。また、あるB2C企業では、アポ率が高い人に重要な電話を寄せた結果、商談獲得率が前年対比130%と大きく向上しました。」

効果的なトークスクリプトの運用方法

「トークスクリプトを効果的に運用する方法について教えてください。」

「まず、スクリプトの内容を全員で共有し、統一したアプローチを取ることが重要です。また、スクリプトの使用結果をデータで分析し、どの部分が効果的でどの部分が改善の余地があるかを把握することが必要です。また、結局運用するのは人ですし、細かい機微が大事だったりするので、成功事例やトークがうまい人の使い方を積極的に共有し、出来たらその人にポイントを解説してもらうのは非常に効果的でした。」

よくある失敗とその解決方法

「トークスクリプトの運用でよくある失敗とその解決方法について教えてください。」

「よくある失敗の一つは、スクリプトに頼りすぎてしまい、顧客との自然な対話が失われることです。この問題を解決するためには、スクリプトをガイドラインとして使いながらも、状況に応じて柔軟に対応することが重要です。また、スクリプトの更新を怠ることも問題です。定期的にスクリプトを見直し、最新の情報を反映することで、効果的な営業活動を続けることができます。」

宣伝会議の講座で学べること

「最後に、宣伝会議の講座で学べることについて教えてください。」

今回ご紹介するのは、その中でも、インサイドセールス業界のベストセラー!「最高の成果を出し続けるインサイドセールス組織の作り方」の著者である阿部慎平さんに講義いただく、

イメージ バナー 「最高の成果を出し続ける『インサイドセールス組織の作り方』実践講座」kv

「最高の成果を出し続ける『インサイドセールス組織の作り方』実践講座」
をご紹介します!

講座の詳細はこちら

現代のビジネス環境は日々変化しており、営業手法も進化しています。特に、アフターコロナ時代に新たな営業形態として急速に普及したインサイドセールスは、購買行動がオンライン化した現在において、有効な手段として認識されています。

この講座では、インサイドセールス組織の構築から、戦略の策定、成果を最大限に高めるための人材の育成に至るまで、13の重要なポイントを実践的なワークを通じて身につけることができます。

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本記事は2024年7月時点の情報をもとに構成しています。各種ツールなどは、アップデートも発生しており、随時状況が変わる可能性があります。最新の情報、手法の情報やお気づきの点があれば、お問合せフォームより編集部までご連絡ください。

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