2カ月で累計出荷数1万箱を突破した「コメダ珈琲店」とのコラボ線香
ローソクや線香の製造販売を手掛けるカメヤマの「コラボ線香」が人気を博している。「コメダ珈琲店」とのコラボ商品「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」は、5月1日の発売から2カ月で累計出荷数1万箱を突破。若年層の「供養離れ」が進む中、同社は土産や癒し目的の利用を促すため、新しいアイデアを取り入れた商品開発を進めている。
若年層にも人気の「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」 © 2024 KOMEDA Co., Ltd.
「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」は、コメダ珈琲店のブレンドコーヒーを抽出した後のコーヒー粉を再利用しており、本格的なコーヒーの香りを楽しめる。若年層のほか、50~60代を中心に人気で、追加注文が殺到している。
「X」では「本当に珈琲店にいるみたい」「勉強するときにつけるとコメダで勉強している気分になれる」など多くの反響が寄せられている。フォロワー数15人万超えの人気インフルエンサーが「珈琲専門店の入口の香り」と投稿したところ、280万インプレッションを記録したという。
先祖供養のなじみが薄い若い世代に興味を持ってもらうため、従来の白いローソクではなく、故人が好きだった食べ物や飲み物を模ったローソクや線香を開発し、2009年に「故人の好物シリーズ」が誕生。2015年4月に供養用途だけにとどまらず、インセンスや土産物としても訴求するため「コラボ線香」を含めた「好物シリーズ」としてリニューアルした。
線香は供養としての意味合いが強いが、従来の線香は香りを好まない人も多いという。そこで同社は他社に先駆け、フローラルを始めとする様々な香りを取り入れた。現在では供養だけでなく、リラックスや癒しを求めて香りを楽しむ利用が増えており、同社も供養以外での利用を積極的に推進している。
広報担当者は「仏壇仏具店に若い方が足を運んでもらえるようにと願って宣伝している」と話した。
カメヤマは1927年創業。神仏用ローソク、キャンドルのほか、線香やお香の製造や販売を手掛ける。「カメヤマローソク」を中心に、線香「花げしき」など、多種多様な神仏用品を取り扱っている。近年では、時代やライフスタイルの変化に合わせ、新しいアイデアを取り入れた線香や葬儀演出のためのローソク・燭台なども開発している。
注)記事中に記載していた数字に誤りがあったため訂正しました。正確には本文の通り「1万箱」です。