累計80億本突破の「濃い系」緑茶飲料 健康志向を追い風に飲用層拡大を図る、伊藤園

「お~いお茶 濃い茶」は2004年に発売。当時の名称は「お~いお茶 濃い味」で、主要飲料メーカーの中で一番初めに発売された「濃い系」緑茶飲料だという。2003年に前身となる「お~いお茶冬緑茶」を冬季限定品として発売したところ、「季節問わず飲みたい」という声があり、「濃さ」「渋み」への需要が確認され、通年販売に至った。

発売以降、中高年の男性を中心に女性や若年層まで幅広い客層に支持されている。機能性表示食品飲料市場における2023年の売上本数はナンバー1を記録。累計販売本数は80億本を突破している。

緑茶飲料市場において「濃い系」緑茶飲料が拡大する中、同社は同製品の強みを「濃さ」と「キレ」としている。各製品に合った茶葉を使用しており、「お~いお茶 濃い茶」ではカテキンを豊富に含んだ茶葉を使用。同社は「製造段階で苦味を強く抽出しても、雑味が混ざったり後味の『キレ』が悪くなったりしない『おいしさ』を追及している」と話す。

同社は「原料や抽出方法で『ただ濃くすること』は意外と簡単だが、『キレ』と両立させることが非常に難しい」と強調。2019年に機能性表示食品としてリニューアル後、飲用機会が増加しており、健康志向の高まりによる濃い系市場の拡大も追い風となっている。

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