オールハーツ・カンパニー、PAPABUBBLE、MHDモエヘネシーディアジオ、アース製薬のマーケターが語る、ブランドの魅力を増す「体験価値」の高め方とは?

写真 人物 写真左からオールハーツ・カンパニー マーケティング本部本部長 樋口晶生氏、MHDモエヘネシーディアジオ 取締役マーケティングディレクター モエヘネシーマーケティング部 島岡芳和氏、アース製薬 コミュニケーションデザイン部部長 小泉ユミ氏、PAPABUBBLE 代表取締役CEO 越智大志氏。

写真左からオールハーツ・カンパニー マーケティング本部本部長 樋口晶生氏、MHDモエヘネシーディアジオ 取締役マーケティングディレクター モエヘネシーマーケティング部 島岡芳和氏、アース製薬 コミュニケーションデザイン部部長 小泉ユミ氏、PAPABUBBLE 代表取締役CEO 越智大志氏。

2014年11月より活動を開始したCMOのコミュニティである「CMO X」。2024年7月に開催された第36回研究会では、オールハーツ・カンパニー、PAPABUBBLE、MHDモエヘネシーディアジオ、アース製薬のマーケターや代表取締役CEOが集い、各社が取り組んでいる戦略や課題について情報交換した。

「ハートブレッドアンティーク」や「パステル」など、製菓・パンのブランドを全国で複数店舗展開する、オールハーツ・カンパニーの樋口氏と、店舗における体験価値が魅力のスペイン発の手作りキャンディブランドの「PAPABUBBLE」の越智氏の2名が参加をしていたこともあり、議論の中では体験価値のデザインというテーマが多くあがってきた。

また、「ドン・ペリニヨン」や「ルイナール」などのシャンパーニュブランドを複数展開するMHDモエヘネシーディアジオの島岡氏からもブランドの体験価値を重視する戦略についての見解が語られた。メーカーのアース製薬でも、ユニークな使用感がSNSでも話題になった「らくハピ マッハ泡バブルーン 洗面台の排水管」など、商品の使用体験が機能に加えて重要になっているとの指摘があった。

研究会では、各社が考えるカスタマージャーニーとマーケティング施策で力を入れている取り組みについて、発表があった。ここでも出てきたのが「体験価値」だ。

手作業での製造風景をパフォーマンスのように見せながら手作りキャンディを販売しているPAPABUBBLEの越智氏は、伝統の飴細工という商品価値に、職人のハンドメイドというブランディング、街の小劇場のようなエンタメ体験をかけ合わせたものがPAPABUBBLEの唯一無二の特徴だと話しつつも、2023年に代表取締役CEOに就任した当初は「職人が製造に集中してしまっている」と感じたという。

「もっとお客さんの顔を見て、笑顔でやろう」ということをこの1年で徹底して取り組み、製造部門をパフォーマーと名称変更し、店頭で働くスタッフたちの意識を変えていった。

写真 人物 越智さん

ワイン&スピリッツ事業を展開するMHDモエヘネシーディアジオでマーケティングを担当する島岡氏はアプローチの手法について語った。扱う商材が高級品のため、まずはシェフやソムリエ、バーテンダー、セレブリティなどにファンになってもらって情報を発信してもらい、信頼できるメッセージとしてその先にいる人たちに届けたいと考えている。セレブリティを起用する広告だけではなく、自分がフォローして憧れているような人からの情報発信があるからこそ、商品価値に信頼性が増すのだという。

写真 人物 島岡さん

次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ