サブスクやリファービッシュ品に注目集まる
マーケットリサーチのGfK Japanは、2024年上半期の家電小売市場の国内動向を発表した。上半期の市場規模は前年比1.9%減の約3.3兆円。直近5年で最も小さく、2022年以降3年連続で縮小している。製品単価は引き続き上昇傾向にあるが、販売台数が落ち込んだ製品も多く、金額規模は前年同期を下回る結果となった。販売チャネルではオンライン販売が微増。物価上昇の影響もあり、サブスクリプションやリファービッシュ品(メーカー再生品)の注目度が高まっているという。
最も伸長したのはカメラ関連で、レンズ交換式の高価格化に加え、コンパクトタイプにも回復の傾向が見られた。生活家電では、理美容家電や調理家電など、コロナ禍で特需の反動を受けていた一部カテゴリーが回復傾向。一方、スマートフォンを中心とする電話関連、IT関連は前年の金額を下回った。電話関連は23年末の端末値引き額の上限見直しに伴う駆け込み需要の反動が尾を引いている。IT関連は個人向けパソコンの買い替えが進まないことが要因だという。
GfK Japanの水村純一リテイルサービス執行役員(左)、Customer Success Managementシニアマネジャーの新井沙織氏(中央)、同シニアアナリストの藤巻憲氏
オンライン販売における家電小売市場規模はIT関連を除き、前年の金額規模を上回った。金額構成比は前年同期から0.5%ポイント上昇し、21%となった。
下半期については、前年の金額規模をやや上回るとみている。生活家電が上半期の好調を維持し、電話関連、IT関連の落ち込みは上半期より小幅になるものと予想。通年の家電小売市場規模としてはほぼ前年並みで着地するものと見られる。