Xで自分と異なる考えも吸収し視野を広げる(広報担当者の情報インプット術)

広報担当者は日々どのように情報感度を高めているのでしょうか。月刊『広報会議』の連載企画「広報担当者のSNS個人アカウント活用術」に登場する、個人SNSを活用する広報の皆さんに、情報収集のポイントや参考になったコンテンツなどについて聞きました。

Q1. 広報として日々の情報収集で意識していることを教えてください

会社の規模、上場非上場、本社が東京か地方か、to Cかto Bか。その他会社が置かれている環境が違えば広報の手法や優先すべき業務も変わってきます。また、20年以上広報の仕事をしていますが、20年前はもちろん、10年前と比べても広報の仕事は変化しており、常に最新の広報界隈情報は知っておきたいと思っています。

そういう意味でXはとても大切なキャッチアップの場です。私は多くの広報担当者、マーケティング担当者、経営者の方とつながらせていただいています。皆さんの普段の仕事内容のポストや記事の引用リポスト等は参考になりますし、自分とは違う視点での考え方を知ることができています。その考え方に自分が反対であっても「こういう考え方もあるのか」と視野が広がるので、とても貴重な場となっています。

ただ、Xの中ですべてを判断するのも危険ですので、SNSをほとんど利用しない方や異職種の方とも意識して会うようにもしています。

また、現在複数の広報関連コミュニティに所属していますが、このコミュニティで他社広報担当者からの「生の事例」をうかがうのがとても貴重な時間になっています。

Q2. 広報として勉強になったコンテンツはありますか?

まずは書籍『【小さな会社】逆襲の広報PR術』(野澤直人著、すばる舎)です。ベンチャー企業の広報だった野澤さんが、いかにしてゼロから地道にメディアアプローチを行い、多くのメディア露出を獲得して事業に貢献できたかが具体的に書いてあり、ベンチャー企業の広報担当でない私でも、新規メディアのアプローチを行う上でとても参考になりました。

書かれていることを実際に私自身も実践していたこともあります。ベンチャー・スタートアップ企業でなくても、新規のメディアアプローチを行う広報担当者は必読かと思います。

もう1冊は『なぜ、Onを履くと心にポッと火が灯るのか?』(駒田博紀著、幻冬舎)。著者の駒田さんは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気スポーツブランド「On」の日本法人を設立した方です。ファンづくりは最初に出展したイベント会場で、自社のブースに来てくれた人とFacebookでつながることから始めたというところがとても興味深かったです。ファンをつくるにはSNSでもリアルでも、自社の商品を知ってほしい未来のお客さまのコミュニティの中に自ら入って、体全体、心全開で相互コミュニケーションする。その地道な活動が、時間はかかるかもしれないけれどファンを増やし、事業の拡大につながるというストーリーは、今、新規顧客を獲得するためのコミュニケーションを考える上でとても参考になっています。

――連載企画「広報担当者のSNS個人アカウント活用術」は、月刊『広報会議』本誌にて掲載しています。

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