パブリックグッドは8月26日、「ブランド・エンゲージメントとメディア利用」についてのアンケート結果を発表した。近年、各企業が策定に乗り出し、マーケティング・ブランディング活動として定着した「パーパス」は、消費者からの関心度も高まり、浸透してきている現状が明らかになった。
本調査は2024年5月2日~13日に実施。それに先駆けて行ったスクリーニング調査では、同 4月30日~5月2日に1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に住む20~60代の男女 5000名(男性2200名・女性2800名)を対象とした。
スクリーニング調査で「パーパス」という言葉を「知っている」または「聞いたことがある」、かつパーパスに共感しているブランドが「ある」と回答した男女495名(男性250名・女性250名)を対象者A。「パーパス」という言葉を「知らない」と回答した男女500名(男性250名・250名)を対象者Bとしている。
「パーパス」という言葉の認知度は約45%
「パーパスという言葉を知っているか」を聞く質問では、22.0%が「知っている」、22.7%が「聞いたことはあるが、意味は理解していない」と回答。あわせて44.7%が「パーパス」という言葉を知っていることが明らかになった。
パーパスに共感する企業やブランドが「ある」のは全体の24%
パーパスという言葉の定義を提示したうえで、「パーパスに共感する企業やブランドがあるか」を聞く質問では、全体の約4人に1人にあたる23.7%「ある」と回答。ブランディング活動において「パーパス」が、消費者とブランドのエンゲージメント構築に相応に効果を発揮しつつある状況が浮き彫りとなった。
パーパスに関する情報は約70%をメディアで取得
「企業やブランドのパーパスに関する情報が欲しい時、どの情報源から得ているか」を聞く質問では、全体の70%以上(71.6%)が何らかのメディアでパーパスに関わる情報収集をしていることが分かった。
メディアの内訳は、1位テレビ番組(15.6%)、2位ブランドの公式サイト(14.6%)、3位新聞記事(11.4%)、4位ニュース配信サービス(8.9%)、5位雑誌記事(8.8%)という結果に。
中でも、パブリシティを指す「アーンドメディア」が、パーパスに関する情報収集の中心となっていることが判明。2位の「公式サイト」を除き、消費者はブランドのパーパスに関する情報について、メディアが解説や編集を行った客観性がある内容を求めている傾向にあると示された。
パブリックグッド代表取締役菅原賢一氏は「新型コロナウィルスの蔓延を契機に社会的に『サステナビリティ』『SDGs』に関する機運が向上、各社が『パーパス』の策定や発信に尽力してきた。『パーパス』自体は2021年頃からのブームだが、ブランディング活動においてかなりの速度で浸透し、成果を挙げつつあると考えている。
一方で、生活者に届いていない企業も多く、消費者との間にコミュニケーションギャップが生じているケースも散見される。ブランドと消費者の間で有機的な議論が生まれるように仕掛けるのが重要です」と語った。