ロジカルシンキング研修・セミナーの選定の考え方2024年 完全版

マーケティング、デジマ、クリエイティブにかかわる素朴な疑問・お悩みを解決します!「AdverTimes.の基本用語解説」、今回は「ロジカルシンキング」篇です。

「ロジカルシンキングの研修ってどんな内容?」
「実際に研修を受けることでどれほど効果があるのか?」
「研修は内製・外注どちらが良いの?」

ロジカルシンキングは、現代の知的労働者の必須教養といっても過言ではありません。また、ロジカルシンキングは書籍だけでは身に付けづらい特徴があります。要は、本を読んでもわかり切ることは難しく、実際に使ってみて、それに対するフィードバックを受けてようやく身に付いてくる類のものです。

一方で、ロジカルシンキングを一から教わる、教えるのには手間がかかります。その点では、「自分で学ぶ」「新入社員や部下に学んでもらう」のどちらにしても、研修・セミナーでの学習が向いているといえるでしょう。

この記事では、

● ロジカルシンキング研修の基本的な内容とその目的
● 研修を受けることで得られる具体的なスキルと効果
● 研修後の実践的な活用法と成果の測定方法

を詳しく解説します。

また、実際にロジカルシンキング研修を受けた専門家の体験談も交えながら、研修の価値や効果を具体的に紹介していきます。この記事を参考にすることで、研修の受講を検討している方はもちろん、すでに受けた方もその後のスキル活用方法を見直す手助けとなるでしょう!

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ロジカルシンキング研修の基本内容

ロジカルシンキングに関する研修では、基本的な手法から高度な技術まで、幅広く学びます。

まずは基本内容について紹介します。

イメージ 表 ロジカルシンキング研修の基本内容

場合によって、ここにクリティカルシンキングが入ることも多いようです。

では、一つひとつの項目を見ていきましょう!

MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)

MECEは、重複なく漏れもなく情報を分類する手法です。これにより、情報を効率的に整理し、問題解決に役立てることができます。

何のためにMECEに情報を整理するのでしょうか? その理由は以下になります。

情報の完全性と排他性を確保する:MECEは情報を重複なく整理し、全ての要素を漏れなくカバーすることで、全体像を明確にします。これにより、問題の全体像を把握しやすくなります。
問題を明確に分割し、全体像を把握する:情報を細分化し、それぞれを独立したカテゴリーに分類することで、問題の各側面を具体的に理解できます。
意思決定の迅速化と精度向上:MECEを用いることで、迅速かつ正確な意思決定が可能となり、業務の効率が向上します。

「抜け漏れがなく、ダブりがない」ということは、何かを意思決定するときに重要です。何らかの決裁を仰ぐとき、「他にもっと良い選択肢があった」「重要事項について検討が漏れていた結果、良くない結果を招いた」ということは決裁者が一番防ぎたいことの一つだからです。言葉としてかなり浸透しているのもあって、実務で耳にすることも多い用語だと思います。

概念的には明快でわかりやすいものです。ただし、これらを実務で適用するとなると、意外と難しいところがあるのも事実です。

ぜひ、研修・セミナーで実際の事例をもとにどのように考えたらよいのか学んでみてください。

ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーは、結論を頂点に示し、その下に根拠や詳細を構造的に整理するための手法です。

この手法をうまく使えれば、結論から相手に分かりやすく伝えることができます。

結論先行型のコミュニケーション手法:最初に結論を述べ、その後に根拠や詳細を説明することで、聞き手が全体の流れを把握しやすくなります。
説得力を高めるための論理的構造:ピラミッド構造を用いることで、主張の裏付けが明確になり、説得力が増します。
ビジネス文書やプレゼンテーションにおける活用方法:ビジネス文書やプレゼンテーションにおいて、この手法を活用することで、効果的なコミュニケーションが可能となります。

社会人として何年か過ごしてきた方なら、「まず結論から話してください」という言葉に効き覚えがあるのではないでしょうか?

時間がない社会人にとっては、結論から話すことが求められる場面が多いです。単に結論を先に話して理由を述べるだけなら簡単そうですが、結論を話すために「話を整理する」ことが必要になります。

しかし、この「話を整理する」ことの難易度が意外に高い。今まで学校などで習ってきたわけでもないし、どのように思考を整理するかがわからない方も多いでしょう。

さらに複雑なのが、「一度組んだピラミッドストラクチャー・話の筋を、ブラッシュアップする方法」です。実はこの構造化は奥が深く、一見同じように見えても、構造化の質が人によって全く違います。
そして、この構造化の質が低いと容赦なく詰められるシーンもあるでしょう。ところが、この構造化の質を高めるための、ブラッシュアップの仕方がなかなか教わることがありません。
だからこそ、研修・セミナーにて、実際に考え方を学んでみてください。

帰納法と演繹法

帰納法は具体的な事例から一般的な結論を導く方法、演繹法は一般的な原則から具体的な結論を導く方法です。

これらの手法を理解し、使い分けることが論理的な思考を強化します。

帰納法…事例から結論を導く:多くの具体的な事例を観察し、それから一般的な結論を導き出します。例えば、多くの顧客が特定の商品を好むことから、その商品が人気であると結論づける、というものです。
演繹法…原則から結論を導く:一般的な原則や理論から具体的な結論を引き出します。例えば、「全ての人間は死ぬ」という一般原則から、「私は人間だから死ぬ」という結論を導く、というものです。
両手法の適切な使い分けと応用例:帰納法と演繹法を適切に使い分けることで、論理的な思考が強化され、より効果的な問題解決が可能になります。

帰納法と演繹法、これらは考え方・アプローチの違いなので、覚えておくものではありません。ただ、何かの課題を与えられたときに、実際にそれぞれのアプローチで考えた経験があると、皆さんの頭にある課題解決の引き出しが一つ増えることになります。

これも実践が必要であるがゆえに、セミナー・研修形式で学んでみるとよいでしょう。

研修の効果

ロジカルシンキング研修の効果はすぐには実感しづらいものです。だからこそ、研修を受けることでどのような効果が得られるか事前に知っておくのがよいでしょう。ここからは特に、ロジカルシンキングのセミナー・研修に送り出した側、セミナー・研修を受けた側が効果を最大化するために、それぞれどのようなことを気を付けるべきかを記していきます。

研修を受けた事で得られる主な効果

研修を受けることで、以下のような効果が得られることが多いです。

上司・部下のコミュニケーションが円滑になる:一番多い効果が、既にロジカルシンキングを実践している上司とのコミュニケーションが円滑になることです。ここのコミュニケーションコストは成果に直結します。
アウトプットの質が向上する:構造化を学ぶことでアウトプットの質が向上します。相手にわかりやすく伝えることができるようになることが多いです。
チーム全体の施策実行ライフサイクルが短くなる:チーム全体が同じ考え・前提を共有していると、施策実行ライフサイクルが短くなり、回せる施策数が多くなります。

研修後の効果測定方法とその結果

研修の効果を定量的に測定するための具体的な方法について説明します。

KPI(主要業績評価指標)の設定と達成度評価:研修の効果を測定するために、具体的なKPIを設定し、達成度を評価します。例えば、プロジェクトの成功率や業務効率の向上などが指標となります。
アンケート調査による定性的なフィードバック収集:研修後にアンケート調査を実施し、参加者からのフィードバックを収集します。これにより、研修の質や内容に関する改善点を把握できます。
定期的な評価と改善プロセスの導入:定期的に研修の効果を評価し、必要に応じて内容や方法を改善します。これにより、継続的なスキル向上が図れます。

ロジカルシンキングの研修では、受講者本人および周りの人間に、受講後に変化があったかを定期的に聞いておくことが大事です。
単発の研修で終わらせることなく、学んだことをチームで共有してもらい、継続的にフィードバックを繰り返すことで、強力な効果を発揮することがあります。

考えてみていただきたいのですが、ロジカルシンキングの研修は誰かとのコミュニケーションで発揮されることが多い研修です。学んだ側は、職場に戻って「いざ実践」というフェーズに入ります。であれば、実践フェーズでは多くのフィードバックを与えてあげると、より組織の質が上がっていくものです。

研修を受けた人から研修内容を聞き出しながら、多くのフィードバックを与えましょう。

研修の選び方とおすすめの研修プログラム

ロジカルシンキング研修を選ぶ際には、自分の目的やニーズに合ったプログラムを選ぶことが重要です。ここでは、選び方のポイントと、実際におすすめの研修プログラムについて紹介します。

Schooのオンライン研修

● 柔軟な受講時間と豊富なコンテンツが特徴で、自分のペースで学ぶことができます。ビデオレッスンやライブセッションを通じて、実践的なスキルを身につけられます。
特徴:24時間いつでも受講可能、専門家による高品質なレッスン、受講者同士のコミュニケーション機能。
:『ロジカルシンキング基礎』『ビジネス問題解決のためのロジカルシンキング』。

リスキルのカスタマイズ研修

● 企業のニーズに合わせたプログラムを提供し、具体的な課題解決を目指します。実務に直結したトレーニングが特徴です。

BizReachの実践型研修

● 実務経験豊富な講師による実践的な研修で、ビジネスの現場で即戦力となるスキルを習得できます。

宣伝会議の研修プログラム

● ロジカルシンキングの研修で重要なのは、「人」。誰がどのように何を話すかで、頭に入り方が全然違います。
● 宣伝会議では、ベストセラー「マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書」の著者・大嶋祥誉氏に、直接動画で教えてもらうことができます。
● 双方向型ではないものの、臨場感ある動画で、丁寧にエピソードとセットでレクチャー。とにかくわかりやすいので、基礎を覚えてもらうにはピッタリです。

イメージ 入社一年目ロジカルシンキングの教科書実践講座kv

イメージ 何故ロジカルシンキングは必要か

研修の実践と継続的な学び

研修で学んだスキルを実務に活かし、継続的に学ぶ方法について説明します。

研修で学んだスキルを実務に活かす方法

研修で学んだスキルをどのように実務に適用するかについて具体的に説明します。

プロジェクトマネジメントでの活用方法:ロジカルシンキングを用いることで、プロジェクトの進行管理がスムーズになります。問題の原因を明確にし、論理的な解決策を導き出すことで、プロジェクトの成功率が向上します。
会議運営の効率化:会議のアジェンダを論理的に整理し、議論を効果的に進めることができます。参加者全員が共通の理解を持ち、結論を迅速に出すことができます。
営業活動の改善:顧客のニーズを正確に把握し、論理的な提案を行うことで、商談の成功率が高まります。顧客の課題を解決するための具体的なソリューションを提供することで、信頼関係を構築します。

ロジカルシンキングは、日々のコミュニケーションが一番の実践の場なので、報告一つ・起案一つでも影響していきます。そのコミュニケーションの質が上がっていると感じたら成功でしょう。

継続的にロジカルシンキングを鍛えるためのリソース

継続的に学ぶためのリソースを紹介します。

専門書籍やオンラインコース:研修で学んだ内容を復習し、さらに深く理解するために、専門書籍やオンラインコースを活用します。例えば、『考える技術・書く技術』や『ロジカル・シンキング』などの書籍は、基礎から応用までをカバーしています。
実務に即したワークショップ:定期的にワークショップに参加し、実際のビジネスケースを通じてスキルを磨きます。ワークショップは、グループディスカッションや実践演習を通じて、より深い理解と実践力を養います。
社内研修プログラム:企業内での定期的な研修プログラムを活用し、継続的にロジカルシンキングのスキルを向上させます。社内研修は、企業のニーズに合わせたカスタマイズが可能で、実際の業務に直結した内容を学ぶことができます。

継続的に学ぶ方法は数多くありますが、何より大事なのが、日々のホウレンソウ等のコミュニケーションの質が上がっているか、周りの方のフィードバックが大事です。

現役コンサルタントに聞く

ロジカルシンキングの効果を最大化するためには、実践的なアドバイスと具体的なノウハウが欠かせません。コンサルタントとして現役で活躍するリヴァンプの中山さんに教わりました。

Q:新卒で入ってくる人にロジカルシンキングを教えるならどういう指導をしますか?

A:まずはロジカルシンキングの目的と実行のプロセスを説明します。目的は、スムーズな合意形成を通じて物事を前に進める/課題解決のための手段。実行のプロセスは、先ずは(1)構造化をして、後に(2)論点設定と(3)仮説構築を行き来しながら、(4)仮説の精度を上げていくイメージです。みんな「なぜロジカルシンキングが必要なのか」を理解しないと定着の土台にものらないので、まずは目的をしっかり教えます。

Q: 実践のための型を覚える段階において、誰にでもできるとっつきやすい教材はありますか?

A:前提、書籍で理論をインプットすることは基本を固めるという意味でした方がいいと思います。ですが、書籍は静的な情報なので、動的な情報も取り入れるとより良いと思います。

必ずしも研修である必要はないのですが、戦略コンサルタント出身の人と話すことや、動画やYouTubeを見ることも効果的だと思います。ただ、周りでライトに話せる人がいなかったりする場合は、ロジカルシンキングのトレーニングをしっかり受けた人のセミナー・研修を受けるのは良いと思います。理論をインプットしたうえで、良い人のアウトプットを分析すると、書籍で書いてあることがどういうことかわかります。

要は、書籍などを読んだうえで、「解釈」することがアウトプット寄りの、良いトレーニングになります。理解が深まるほど、新しい視点で見るとさらに理解が深まるでしょう。

Q:研修を受けたことがあるならどんなことを学びましたか?

A:研修を受けたことはあります。正直一番覚えているのはD社時代の論理に厳しいシニアコンサルタントのOJTが一番効きましたが(笑)。

研修で学んだのは、(1)構造化(注:ピラミッドストラクチャー)、(2)論点設定(3)仮説構築のフレームです。

Q:研修について、 何が役に立って、何が役に立ちませんでしたか?

A:質問の答えと少しそれるのですが、やって1〜2カ月くらいは全然感覚が掴めず、むしろ言っていることは分かるけど、どうやるのやら、という暗いトンネルが続きました。

そんな中で、3カ月目くらいからこういうことかなと少し見えてきた感があり、アウトプットに対してもポジティブなフィードバックをもらえることも増えて来て、ここからは定着化ムードに入っていきました。

正直、何か大きなきっかけがあった訳ではなく、あるとすると、いくつか関連する書籍を見返したりする中で、教わったフレームに対する解釈を加えようとしていたのは良かったかもしれません。

Q:総じて、ロジカルシンキングの研修で良い研修を受けるためには、(1)研修選び(2)研修を受けた後の動きで何を注意すればよいでしょう?

A:余りその観点で考えたことがないのですが、あるとすると(1)は講習者、(2)は上述の通りですが、以下に日々のアウトプットプロセスに研修内容を埋め込んで反復練習する仕組を構築するか、だと思います

(1)の点については、やはり実践の場でロジカルシンキングを高い水準で求められるのはピュアコンサルティングの場だと思うので、戦コン出身のMアップ以上の経歴のある方に教わるのが確実かと思います。

宣伝会議の講座で学べること

さて、再度のお伝えになりますが、インタビューでも重要と言われている、「講習者」について、この度宣伝会議では、「ベストセラーの書籍執筆者」に直接動画で講義をしていただくメニューをご用意しました。

宣伝会議の講座で学べる具体的な内容について紹介します。

イメージ 入社一年目ロジカルシンキングの教科書実践講座kv

■講座の概要

イメージ 表 講座概要

ざっと見ていただけるとわかるようにインタビューでも話されていた、「なぜロジカルシンキングをする必要があるのか?」というのを最初にしっかり説明した、マッキンゼー上がりの著者による講座になっています。まさに、初めてロジカルシンキングを学ぶにはうってつけの講座といえますので、ぜひ奮ってご参加ください。

講座の概要はこちら

本記事は2024年8月時点の情報をもとに構成しています。各種ツールなどは、アップデートも発生しており、随時状況が変わる可能性があります。最新の情報、手法の情報やお気づきの点があれば、お問合せフォームより編集部までご連絡ください。

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