「ロジカルシンキングを効率よく鍛える方法が知りたい」
「どのトレーニング方法が自分に合っているのか見極めたい」
ロジカルシンキングはビジネスや日常生活における問題解決や意思決定の能力を高めるために欠かせないスキルです。しかし、どのようにしてこのスキルを効果的に鍛えるのか、具体的な方法を知りたい方も多いでしょう。この記事では、
● ロジカルシンキングを鍛えるための基本的な方法
● 効果的なトレーニング方法
● 実際に効果を確認するための評価方法
を順にご紹介します。また、ロジカルシンキングの分野で10年以上の経験を持つプロへのインタビューを通じて、得られた具体的なアドバイスや成功事例も併せて紹介します。この記事をブックマークしておけば、いつでも効果的なロジカルシンキングのトレーニング方法にアクセスできるのでおすすめです!
ロジカルシンキングとは何か?
ロジカルシンキングは、情報を論理的に整理し、結論を導き出す思考プロセスです。このスキルは、問題解決や意思決定の際に重要です。
ロジカルシンキングは、現代日本の知的労働者においては、コンサルタントをはじめ企画職の現場ではほぼ必須スキルになってきていると思います。
一方で、人によってどこまでロジカルシンキングと指すかは異なり、少し幅広く「ロジカルに考えること」全般を指すと考えている人もいれば、「コンサル的な思考フレームセット全般」を指す人もいます。ピラミッドストラクチャー・構造化・MECEなど、書籍に代表される、特定の考え方を指している人もいると思います。まあ、書籍や記事によってどこまでロジカルシンキングとして定義しているかも大きく異なります。
ロジカルシンキングの基本概念
ロジカルシンキングの基本概念を理解することは、スキルを鍛える第一歩です。例えば、以下のようなことがロジカルシンキングに含まれるとされることが多いです。
● 論理的思考:客観的なデータや事実を基にした思考プロセス。データから、「どこまで言えて」「どこまで言えないか」を判断するのは論理的思考の基礎です。また、事実と主張を分けて考えるのも重要な所作となります。
● 因果関係の分析と理解:事象の原因と結果を明確にする能力。一つ一つの説明に論理が繋がっているか否かを判断できる能力。
● 構造的・体系的アプローチ:問題を分解し、体系的に解決策を考える方法。構造化ができていると、抜けもれなく物事を検討できます。
● クリティカルシンキング:これを含むかどうかは人によりますが、体形的に整理された構造・論点の中で、何が大事なのかを見極めるクリティカルシンキングも重要です。
● 仮説思考:最終的に、課題や問題を解決する仮説が必要になります。この仮説思考も重要なロジカルシンキングの一部と見なすことがあります。
ロジカルシンキングの重要性
ロジカルシンキングは、多くの場面で重要な役割を果たします。
● 問題解決力の向上:複雑な問題を効率的に整理し、解決する能力を向上させます。
● 意思決定の明確化:論理的な根拠に基づいた意思決定が可能になります。
● コミュニケーションの改善:論理的な説明ができることで、他者とのコミュニケーションが円滑になります。
コミュニケーションについて補足すると、現代日本の知的労働職、特に企画職と呼ばれる職の人の中では、人材の流動化などによって、このロジカルシンキングを扱えることが重要になってきています。要は、共通言語として機能してしまっているので、ロジカルシンキングに合っていない発言を繰り返すと、「この人は頭が悪い」と思われかねません。
一方、この共通言語をしっかり使いこなすことでコミュニケーションが劇的に改善し、仕事が進めやすくなることは多くあります。事業上も大きな成果に結びつきやすいので、ぜひ意識的に鍛えてみてください。
ロジカルシンキングを鍛えるための基本的な方法
ロジカルシンキングを鍛えるためには、継続的なトレーニングが必要です。ここでは、基本的な方法を紹介します。
書籍を使った学習
ロジカルシンキングのスキルを向上させるために、専門書籍を活用する方法があります。
● 『考える技術・書く技術』 by バーバラ・ミント: ピラミッド原則を使った論理的思考の基本を学べます。
● 『論理トレーニング101題』 by 野矢茂樹: 演習問題を通じて実践的に論理力を鍛えられます。
● 『ロジカル・ライティング』 by 照屋華子: 文章作成における論理的思考の応用方法を学べます。
オンラインコースの活用
オンラインコースを利用することで、効率的にロジカルシンキングを学ぶことができます。
● Udemy:幅広いロジカルシンキング関連のコースがあります。
● Coursera:名門大学の講座で、ロジカルシンキングを深く学べます。
● YouTube:無料でアクセスできる講座や解説動画が多数あります。
● 宣伝会議の講座:宣伝会議の講座でベストセラー著者からロジカルシンキングを動画で教わることができます! 一流の講師が一年目の人に向けて丁寧に説明しているので、ぜひ一度ご検討ください。
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ロジカルシンキングの実践例
ロジカルシンキングを実際のビジネスや日常生活で活用する方法について説明します。
ビジネスシーンでの活用
ロジカルシンキングは、ビジネスシーンにおいて多くの場面で活用できます。
● ホウレンソウ:報告・連絡・相談において、ロジカルシンキングは大きな威力を発揮します。例えば、事故報告一つとっても、「事故の影響は〇〇です。対処はXXです。また、事故の原因は〇〇なので、対策方針は暫定はXX、恒久的な対策はXXXで行います。」など、ロジカルシンキングの活用の宝庫となっています。
● プロジェクトマネジメント:問題の原因を明確にし、論理的な解決策を導出します。プロジェクトの進行状況を把握し、リスクを予測して対策を講じることができます。プロジェクトマネジメントは典型的なロジカルシンキングを活用しやすい役割なので(MECEにタスクを確認・管理したりなど)、まずはここで活かしながら学んでいくのが良いでしょう。
● 会議運営:議題を整理し、論理的に議論を進めます。効率的な会議運営により、時間を節約し、結論を明確にすることができます。会議は、瞬発力が必要なため、少し難易度が高いです。しかし、良い会議運営にはロジカルシンキングが不可欠で、特にホワイトボードを使いながら構造化をするのは強力に全員の認識・理解を進行させ、物事を前に進める力があります。
● 営業:顧客のニーズを正確に把握し、論理的な提案を行います。顧客の課題を解決するための具体的なソリューションを提供することで、信頼関係を構築します。特に、ロジカルな考えを持っている人に対しての営業では、この考えが必須といっても過言ではないでしょう。
ロジカルシンキングはビジネスシーンの全てのコミュニケーションの土台ともいえるものです。息をするように使いこなせるようになるよう、トレーニングを続けていきましょう!
日常生活での活用
ロジカルシンキングは、意外と日常生活でも多くの場面で役立ちます。身に着けた後、日常生活の意思決定やコミュニケーションの質が上がったと感じる人も多いはず。
また、世間にロジカルシンキングが浸透するほど、プライベートで会う周りの人もこの共通言語を持っている可能性が高くなってきます。
● 意思決定:家庭内での重要な決断を論理的に行います。たとえば、大きな買い物をする際に、コストと利便性を比較して最適な選択を行うことができます。
● 問題解決:日常的なトラブルを論理的に解決します。たとえば、家庭の修理やメンテナンスにおいて、問題の原因を特定し、適切な対策を講じることができます。
● コミュニケーション:論理的に話すことで、家族や友人との誤解を防ぎます。明確な理由と根拠を持って説明することで、意見の一致を得やすくなります。
現役コンサルタントに聞く
実際に現場で活躍するコンサルタントは、ロジカルシンキングの本をどのように考えているのか?現役でコンサルタントとして活躍するリヴァンプの中山さんに教わりました。
Q:中山さんご自身は、実際にどういう人にロジカルシンキングを教えているのでしょうか?
A:去年1年間は、新卒1年目の人と案件を1つ担っています。現在は、新卒2年目の人と案件を担当しており、自分と同じチームの人に教える機会もありますし、他のチームの人に教えることもあります。
ロジカルシンキングは、社会人になったばかりの人や、コンサルに中途で入ってきた人は全くできてないことも多いです。これは、そもそも何のためにロジカルシンキングをする必要があるのか、よくわかっていないケースが少なくありません。それがゆえに、どんなことを考えればよいか理解できていないのです。
Q:新卒者にロジカルシンキングの鍛え方を教えるなら、どういう指導をしますか?
A:まずはロジカルシンキングの目的と実行のプロセスを説明します。目的は、スムーズな合意形成を通じて物事を前に進める/課題解決のための手段。実行のプロセスは、先ずは(1)構造化をして、後に(2)論点設定と(3)仮説構築を行き来しながら、(3)仮説の精度を上げていくイメージです。みんな「なぜロジカルシンキングが必要なのか」を理解しないと定着の土台にも乗らないので、まずは目的をしっかり教えます。
Q:目的をしっかり教える、というのはどういうことでしょうか? もう少し事例を踏まえて具体的に教えてくれますか?
A:ロジカルシンキングというワードが便利すぎて、そこで思考が止まってしまいがちですが、そもそも「論理的に考えるとは何か」を考えることが大事だと思っています。
YouTubeで「マコなり社長」の「ロジカルシンキングなんてこじつけだ」という動画がありますが、これは正しいところがあると思っています。ロジカルシンキングは、合意形成するときに論理的に考える時のツールとして有効ですが、合意形成方法ってそれだけではない。
最近とある案件で、ロジカルな会長がいて、敏腕経営企画マンがそばについている、という事例があったのですが、その経営企画マンの資料ってMECEでも何でもないんですが、ロジカルな会長に納得してもらうためには筋が通っている。なので、ロジカルシンキングというのは一つのツールで、合意形成するために必要であれば使えばいいわけで、必ずしもMECEじゃなくてもいいんだ、とは思いました。
Q:目的を教えた後は、どのように訓練していくとロジカルシンキングが鍛えられると思いますか?
A:自分自身でもできていない部分もあると思っているし、つまらない話なのですが、実践ありきだと感じています。一回「こうだ」といって伝わるものでは絶対にない。何度も何度も反復練習するしかないので、何度も何度も反復する。
私の場合は特別につきっきりでトレーニングを3カ月みっちりやって、3カ月目からちょっとわかってきた。フォームとしてどこを意識しなきゃいけないのか理解したうえで、あとは反復練習です。
ただ、いじらなきゃいけないボタンは明確((1)構造化をして、後に(2)論点設定と(3)仮説構築)で、ほぼ間違いなくその3つだと思っているので、これを行き来しながら精度を上げていくのがロジカルシンキングの鍛え方だと思っています。
宣伝会議の講座で学べること
自学自習だけでなく、インタビューにもあった通り、基本的に実践が大事です。また、他の記事にもありますが、「誰に教わるか」も重要でしょう。
この度宣伝会議では、「ベストセラーの書籍執筆者」に直接動画で講義をしていただくメニューをご用意しました。
宣伝会議の講座で学べる具体的な内容について紹介します。
■講座の概要
構成を見るとわかるように、インタビューでも話されていた、「なぜロジカルシンキングをする必要があるのか?」という点を最初にしっかり説明した、マッキンゼー上がりの著者による講座になっています。まさに、初めてロジカルシンキングを学ぶにはうってつけの講座といえます。ぜひ皆様奮ってご参加ください。
<講座の概要はこちら>
本記事は2024年8月時点の情報をもとに構成しています。各種ツールなどは、アップデートも発生しており、随時状況が変わる可能性があります。最新の情報、手法の情報やお気づきの点があれば、お問合せフォームより編集部までご連絡ください。
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