CO2排出量の「見える化」が購買行動に影響 ルミネなど5社が実証実験

決済手段においては、現金の方がキャッシュレス決済よりもCO2排出量が多い。紙幣や貨幣の製造・流通に必要なエネルギーのほか、24時間稼働しているATMも要因だという。その情報が支払い手段の選択に与える影響についても検証したが、排出量の「見える化」によってキャッシュレス決済の誘導に繋がったケースは少ないという。マッシュスタイルラボでは元々キャッシュレスの利用比率が高かったことも要因だという。一方、「これまで意識したことがなかった」「初めて知った」という声もあり、一定の効果はあったと見られる。

この結果を通して、JCB米国法人シニアバイスプレジデントの堀口智也氏は「サステナビリティ活動を積極的に推進している企業は多いが、消費者においては、普段から意識して考えている人は限られている。実験では思った以上に好意的なフィードバックを得られた」と振り返った。また、CO2排出量の「見える化」のシステムは、小売事業者と顧客のコミュニケーションツールとしても利用できると期待を込めた。

マッシュスタイルラボ執行役員で生産管理本部の岩木久剛本部長は「実証結果を販売増加につなげることは考えていないが、『アパレル業が、未来の地球を守ることに向き合っている』ということをお客さまに伝えていきたい」と意気込みを語った。今回の実証実験では数値によるエビデンスを提示したが、CO2を減らす必要性が直感的に伝わるような訴求が足りなかったとし、CO2削減の意義や各社の理念に対する理解をもっと深めたいと話した。

ルミネ取締役で総合企画本部副本部長の栗原良彰氏も「業界の先頭を切って、CO2排出量の『見える化』を推進したい」とし、マッシュスタイルラボのように趣旨に賛同する企業と一緒に進めていきたい考えを示した。

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