サントリーのチャレンジ精神に共感
――事業会社に転職したのはどんな心境の変化が?
8年ほど勤めたのですが、この会社が突然、倒産することになったのです。ある金曜日にその告知があって、「来週の火曜日までに荷物をまとめて」と社長に言われたときには驚きました。それで大至急、転職活動をすることになりました。
ただ、実はその少し前から、「自分は今後、どんな仕事がしたいのか」を考えてはいました。
――その疑問への答えがサントリーにあった。
はい。思い悩んでいたとき、たまたま立ち寄ったコンビニで、サントリーの新商品がいくつか並んでいました。期間限定の商品でしたが、そのパッケージに思わず目を引かれてしまって。「炭酸文明」という古代エジプト文明に王族が飲んでいた発泡炭酸をモチーフにした商品や、「ラブモードジンジャー」という味の想像がつかないネーミングなど、陳列棚で異彩を放っていました。それを見ているだけですごく楽しい気持ちになりました。
「ああ、サントリーは、商品開発に対してチャレンジする姿勢があって、商品開発自体を楽しんでいる会社だな」という想像ができて、自分もそこに加わってみたいと思いました。
サントリーでの仕事に興味を持ったのはそこからですね。でも、倒産した当時は、サントリーではポジションがありませんでした。それで、興味を持った家電メーカーに入り、インハウスデザイナーとしての仕事の進め方を身に付けました。その企業はブランド力が強みの会社で、学ぶものはたくさんありました。
特に、私にとって大きな発見だったのは、事業会社にはいろんな人がいるということ。デザインエージェンシーとは違い、クリエイターではない人の方が圧倒的に多い。職種によって話題も文化も表現も全然違うから、視座も変わるし、視野も広がります。自分の成長につながった実感がありましたね。
その後、2015年にサントリーでデザイナーを募集すると聞いて。この機を逃すまいと思い、転職を決めました。