否定的な意見や見方も一旦受け入れる
――多くの視点を持つことを大切にしているのですね。
実は、帰国直後、ある日系企業で事務職のアルバイトをしました。当時は、海外の大学を卒業したと知ると、私に厳しく当たる人もいて。初日早々から、「ここは日本だということを十分理解した上で仕事をしてほしい」とくぎを刺されました。「アメリカにかぶれた、とんでもないわがまま娘に違いない」という先入観を持たれてしまったのだと思います。
傷つきましたが、いくら「私は良い人間です」と主張しても、相手がそう思わない限り、私はその人の中で「良い人間」にはならないことに気がつきました。私自身のキャラクターが、他者によって決まることもある。どんなことも、たとえ自分自身のことでも、時には俯瞰して見ることが大事なのだと、たった一言で教えられた気がします。
それ以来、仕事に対しても、近くからと遠くからと交互に見る癖がつきました。自分の仕事を否定されることを嫌がるクリエイターは多いですが、私は「あなたの目線で見ると確かにそうだよね」と受け入れることができる。実際、そうした意見を取り入れることが、良い結果につながることも、経験からわかっているからです。周りとコラボレーションしながら一緒に成長、成果を目指せるのも、インハウスデザイナーならではの面白さだと思います。
現在は欧州のグループ会社に出向し、クリエイティブディレクターとして奮闘しています。海外勤務については、避けたいと考えている人も少なくないと聞きます。私も日本が一番好きですが、出向の打診を受けて、迷わず、この場にやってきました。ひとつの挑戦をクリアしたら、自分のレベルが上がって新しいステージに行けると思うから。進む方向を決めるとき、「ワクワクするか」は私にとって大きな指針です。課題を一つひとつ乗り越えるチャレンジ自体を楽しんでいます。
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