パッケージからブランディングまで「見える化」重視で課題解決

1951年に設立された日本初の広告制作専門の会社 ライトパブリシティ。同社が提供しているのは、企業やブランドが抱える本質的な課題を解決に導く「見える化」というひとつの解だ。

写真 人物 集合 (左から)ライトパブリシティ 企画部 コピーライター/クリエイティブディレクター 山根哲也さん、美術部 アートディレクター 鈴木奈々瀬さん

(左から)ライトパブリシティ 企画部 コピーライター/クリエイティブディレクター 山根哲也さん、美術部 アートディレクター 鈴木奈々瀬さん。

課題解決を導く独自のプロセス

ライトパブリシティは1951 年、日本初の広告制作専門会社として設立された。約60 人の社員のうち半数をアートディレクターやコピーライターなどのクリエイターが占めている。企画部のコピーライター/クリエイティブディレクター 山根哲也さんと、美術部のアートディレクター 鈴木奈々瀬さんは、共に2006 年に入社。山根さんは2021 年に日本最大級のクリエイティブアワードである「ACC TOKYO CREATIVITYAWARDS」でデジタル・エクスペリエンス部門最高賞を受賞したポーラの「2029 年ビジョン」など、企業ブランディングを幅広く手がけている。鈴木さんは明治の「meiji THE Chocolate」シリーズのコンセプトづくりやアートディレクションなど、生活により近しいところでのデザインを得意としている。

山根さんがコピーを手がけ、多数の広告賞で受賞をしたポーラの「2029 年ビジョン」Webサイト

山根さんがコピーを手がけ、多数の広告賞で受賞をしたポーラの「2029 年ビジョン」Webサイト。

ライトパブリシティの課題へのアプローチの特徴を、山根さんは「深く知ること」と「早期に“見える化”すること」と表現する。「クライアントの経営層の方々はもちろん、現場の方を含むさまざまな立場の方に話をうかがい理解を深めることで、時にいただいたオリエンテーションよりも深部にある、本質的な課題を見出します。そのうえで解決策となるコンセプトの核をつくる。そしてそれが最も活きる形で、CM やグラフィック、Web、店頭といった適切な手法を提案しています」(山根さん)。

そして「もうひとつ大切にしているのは、プロジェクトの早期から、コンセプトを最終的なアウトプットに近い形で“見える化”すること」と鈴木さん。「早い段階から、具体的なコピーやデザインに落とし込み“見える化”をすることで、メンバーの視座が揃い、その後のプロジェクトに一貫性が生まれます。また最終形に近しいものをお見せできるので、プロジェクトの担当者の方も、社内で経営層に上申していただきやすいと思います」と説明する。ブランディングプロジェクトは、社内で案を通す過程でさまざまな立場からの意見に左右され、本来の課題感からどんどんずれていってしまう……ということも少なくない。机上のコンセプトや都合のいいロジックの集積に陥らないように、しっかりと世の中に伝わるかを「生活者の代弁者」として徹底的に検証し、具体化する。本質的な課題をきちんと解決するという点でも、早期の“見える化”は寄与している。

外部との共創で実現 多様な打ち手

最近の仕事に、大香のライフフレグランスブランド「暮らしの香り」のブランディングがある。当初は企業ロゴのリニューアルの依頼に始まり、その2 年後の「暮らしの香り」の立ち上げ時にブランディングの依頼を受けた。「大香は香りの商品を企画・開発する会社でしたが、社長がかねてから自社で企画・開発・生産から販売までを一貫して行うホームフレグランスメゾンの立ち上げを熱望されていました。ブランド名は既に決まっていて、それをベースにコンセプトに落とし込み、店舗やパッケージのデザインに展開していきました」(山根さん)。

大香のライフフレグランスブランド「暮らしの香り」のブランディング

大香のライフフレグランスブランド「暮らしの香り」のブランディング。社外のクリエイターとも連携し、ロゴやプロダクト・パッケージデザイン、空間デザインなど全体を手がけた。

1 年間、密に定例会議を続ける中で、その想いを丁寧にくみ取り、序盤に「心のための日用品。」というコンセプトを打ち立てた。同時に、洗練されているが温もりも感じられるデザインの世界観も構築。それを店頭やプロダクトデザイン、サイトなどに落とし込み、統一されたブランドとして世に届けた。「このように案件ごとに求められる手段もさまざま。建築家やプロダクトデザイナーなど外部のクリエイターとも協業し、社内外の強みを掛け合わせて多様なアイデアを共創しています」(山根さん)。

店頭のクリエイティブにルーツ

一方、ライトパブリシティといえば、先述のポーラの企業ブランディングなど規模の大きな仕事が目立つが、実は店頭周りのクリエイティブにも強みを持つ。「まずはロゴデザインやパッケージデザインのみ、ということでお話をいただき、徐々に理解を深めていく中で、ブランド全体やコーポレートのブランディングとご依頼をいただくケースが多いですね」と山根さん。

長く企業広告を担当しているキユーピーやアヲハタにおいても、新事業のロゴデザインや新商品のパッケージデザインといった仕事も多数。プラントベースフードなどのサステナブルな食を提案するキユーピーの「GREEN KEWPIE」シリーズ、アヲハタの片手で使えるフルーツスプレッド「アヲハタ Spoon Free」など、社内の若手クリエイターも交えながら、新鮮な見え方を打ち出している。「長くお付き合いさせていただくことが多いのも当社の特徴。ブランドを深く理解し、時代に合わせた適切な打ち出し方を、高いクラフトの力で実現していく。つまり、『深度×鮮度×精度』の掛け算を大切にしたい。クリエイティブに効率化が求められるこの時代ですが、本質的に課題に対して効果を生み出していくことに当社の価値はあると思います」(山根さん)。

サステナブルな食を提案するキユーピーの新シリーズ「GREEN KEWPIE」では、ブランディングやパッケージデザインを担当

サステナブルな食を提案するキユーピーの新シリーズ「GREEN KEWPIE」では、ブランディングやパッケージデザインを担当。

もんで食べるアヲハタの冷凍フルーツ「まるかじゅり」や、片手でさっと使えるフルーツスプレッド「Spoon Free」など、ロングセラー商品のリニューアルから新商品まで数多くのデザインを手がける。

もんで食べるアヲハタの冷凍フルーツ「まるかじゅり」や、片手でさっと使えるフルーツスプレッド「Spoon Free」など、ロングセラー商品のリニューアルから新商品まで数多くのデザインを手がける。

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お問い合わせ

株式会社ライトパブリシティ

住所:〒104-0061 東京都中央区銀座 7-12-17
TEL:03-3248-3334(代表)
E-mail:contact@lightpublicity.co.jp

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