コロナ流行を経て「目の悩み」増加
ロート製薬は、機能性表示食品「ロートV5」シリーズの累計出荷個数が6月時点で1500万個を突破したと発表した。シリーズがヒットした背景には、顧客の抱える目の悩みとケアに関する意識・行動の変化があるという。
同社は2018年と2023年に20~70代の目にトラブルを抱える男女を対象とした調査を実施。2018年の調査時には目の悩みへの対処法としてサプリメントを選択した人は5%だったのに対し、2023年調査時では4倍の20%に増加した。
累計出荷個数1500万個を突破した「ロートV5」シリーズ
この背景として、新型コロナ感染症の流行でデジタルデバイスの使用時間が増加し、目に感じる悩みが複合的になったという声もある。この調査結果から、同社は目の悩みが深刻化し、対処法を探し求める人が増えているとみている。
「ロートV」シリーズの顧客層は男女半々。年齢による目の悩みを自覚し始める50~70代の顧客が多いが、デジタルデバイスの普及により、若い世代の顧客も増加傾向にある。
競合商品との差別化では、「V5」シリーズに限らず、顧客とのコミュニケーションを重視。製品においてエビデンスに基づく研究開発や成分の追求を続けている。広報・CSV推進部の岩脇紀子氏は「製品の強みを意識的に伝えていくコミュニケーションも実施している」と話した。
2015年の機能性表示食品制度の開始以降、機能性表示食品の発売が相次いだ。中高年層におけるピント調節に対応した機能や、スマートフォン、PCとの接触時間増加に伴う目の疲労軽減など、様々な機能を持つ商品が発売されており、今後も伸長が見込まれている。
同社も2015年に、「くっきり見る力」をサポートする成分を配合した同社初の機能性表示食品として、目のサプリメント「ロートV5粒」を発売。現在では「ロートV5b 30粒」「ロートV5b 60粒」「ロートV5アクトビジョンa 62粒」「ロートV5 記憶力サポート 62粒」の合計4品のシリーズで発売している。シリーズを通して、1日1粒で続けやすいソフトカプセルで、喉に引っかかりにくく飲みやすい設計にこだわっており、ロート通販内売り上げNo.1ブランドに成長した。
ロート製薬は、1909年に同社として初の目薬「ロート目薬」を発売。110年以上に渡りOTC医薬品における目薬を中心としたアイケア提案を実施してきた。岩脇氏は「アイケアのリーディングカンパニーとして、サプリメントに限らず、様々な角度から目の悩みを解決していきたい」と話した。