(左から)HCLSoftware 岩田行雄氏、インターメスティック 井戸喜貴氏、日産自動車 中川香織氏、北原寛樹氏、バイオテック 多嶋弘樹氏、 SUBARU 村川雄一氏、カメラのキタムラ 加賀山信英氏、阿部慶二郎氏、三井住友カード 佐藤雄亮氏、パルコ 安藤彩子氏、三井住友カード 荒木仁志氏。
データ収集・活用の目的を明確化することが重要
今回のテーマは「1stPartyデータ強化」と「外部データ活用の可能性」。カメラのキタムラでは、2022年に腕時計・スマホの買取りを開始。これを皮切りにオンラインと実店舗の顧客データの統合を進めつつ、ポイント会社のデータも活用することで、顧客理解の深化や、より適切な施策展開につなげている。バイオテックでは、サロンでのスタッフと顧客の日々のコミュニケーションにロイヤルティ向上の秘訣があると考え、それをどうデータとして蓄積し顧客体験向上につなげられるか模索中だ。
自動車業界の2社はすでに顧客データ基盤の構築はひと段落しているという。SUBARUでは、購入の前段階で自社のファンとなりうる方を増やすべく動画広告に注力。外部データも活用し未顧客の興味関心等の分析を進める。日産自動車も、Web上の行動データをもとに顧客ごとの新車購入意向度を算出。その他情報と掛け合わせて販売員がアクションすることで、成約率の向上につながっている。
共通して提示されたのは、データ収集・活用の目的を明確化することの重要性だ。データは取得するにも、貯めたり、使えるようにするにも費用がかかる。「何のために」が不明瞭なままだと成果も曖昧で無用なコストになりかねない。
パルコも自社でのデータ活用を見直しているタイミングだという。同社として何が本当に必要なのかを吟味しながら、集客や顧客理解のために人流データの活用を進める。Zoffも顧客とつながるためにLINEを活用。メッセージ配信の費用も考慮しつつ、新たにカラーレンズの提案など、LTVの最大化に会員データを生かす。三井住友カードのキャッシュレス購買データは、商材購買者分析のほかにプライシングなど活用の幅が広い。まさに何のためにどう使い、どれくらいのコスト感が妥当なのかという設計、判断が肝になる。
当日はデータ人材の育成や採用にも話が及んだ。必要なのは、その企業のビジネス理解を下地に仮説を前提とした使える分析。分析と企画チームを同じ部門内に同居させたり、新卒からデータ教育を行うなど、各社での取り組みも共有された。
HCLSoftwareの岩田氏は「自社データに加え外部データ活用の可能性を感じた。同時に課題感も見えたので、今後のツール開発にも生かしたい」と振り返った。
お問い合わせ
HCLSoftware
住所:東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル32階EAST
E-MAIL:swinfo@hcljapan.co.jp
URL:https://www.hcljapan.co.jp/software/products/marketing-automation/unica/
関連記事