「明るく楽しく」を排除したCMが一石を投ずるか
いまニデックは考える
もっとCO2を減らせないか
もっと異常気象を防げないか
もっと人間以外の生き物と共存できないか
もっと地球の資源を守れないか
もっと力強くできないか
もっと静かにできないか
もっと軽く薄く小さくできないか
もっと誰もが使えるものにできないか
もっと明日を良くすることができないか
もっと常識を破壊できないか
もっとみんなを笑顔にできないか
もっと私が世界にできることが出来ないか
妄想する者が、壁を破る
これらの「もっと」と「妄想」こそが、ニデックのみならず日本のモノづくりを支えてきた原動力であって感動的なメッセージである。そして、映像では高度成長期時代の入社案内を見ているような感覚にも捉えられる。
そう思えるのも当然で、同社では「あえて明るく楽しく笑顔のCMではなく、濃く熱く一心不乱なCMにした」という。売り手市場にある学生の一部からはアナクロと捉えられるかもしれないが、同社はそれを承知の上で、実は多くの企業が抱いている本音――「知名度につられて志望するのではなく、企業と仕事に惚れこんで入社して欲しい」――を毅然と訴えているのである。
同社の並々ならぬ決意が窺われるこのメッセージが今後のリクルーティングCMの方向性に一石を投ずるものになるかもしれない。