PR効果の高いコピーと、広告コピーの書き方の違い

コピーライター、クリエイティブディレクターとして活躍する井手康喬さんは、PR文脈のプランニングやコピーライティングにも数多く携わっています。「社会の関心事」と結びつけていくことがPR視点といわれますが、具体的にどう結びつけていけばいいのでしょうか。
 
本稿は、コピーライター養成講座の全6回の特別クラスで講師を務める井手さんによる短期連載の後篇。いわゆる「広告のコピー」とは少し違う、「PRのコピー」を書く際の視点の置き方から解説します。

博報堂ケトルでコピーライター・クリエイティブディレクターをしています、井手康喬と申します。すこし前に、広告コピーに関するコラムを書かせていただきました。

この話を前篇として、今回は後篇のお話をします。広告コピーという基礎の上にあるべき応用篇。「PR効果を狙うためのコピー」をどう考えればよいか、というお話です。昨今の世の中を賑わせているクリエイティブは、印象としてはもうこちらのほうが多いイメージかと思います。メディアによる報道やSNS拡散による話題化などが具体的な効果ですが、このPRの分野に関してはいろんな方がいろんな解法を発明されていますので、今回の私の話は、私なりのひとつのやり方・持論であり、「コピー」によるアプローチに限った話だという前提でお聞きください。

PRコピー=社会との「関わり方」の見え方を変える

下記の図をご覧ください。前回の前篇では、広告コピーとは「その商品を見る“特定の目線”を与えるためのガイドのようなもの」というお話をしました。その言葉があることで、その商品がそういう風に見えてくる、という理論でしたね。PRに求められるコピーは、その応用です。まずは商品にとって関わりの深い社会テーマを選びます。そして、その社会テーマに商品がどんな関わり方をしているか、その見え方を変えるコピーが、PR効果の高いコピーだという考え方です。

選んだ社会テーマに、商品として、ブランドとして、あるいは企業として、どんな意見や姿勢があるか、具体的にどんなアクションをしているのか、それが言葉になったとき、PR効果の高いコピーとして機能する場合が多いように思います。たとえば、の例を次の図に挙げてみます。

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