博報堂生活総合研究所(生活総研)は9月5日、15~69歳男女に対して暮らし全般のデジタル化の度合いを調べる「生活DX定点」調査の結果を公開した。生活総研が同調査を実施するのは初めて。
「生活DX定点」調査は、生活のあらゆる分野をデジタル化するツールやサービスが登場する中、各分野のデジタル/アナログ比率は現状でどの程度か、今後どの程度デジタル化意向があるかなどを回答してもらうもの。設問は、生活全体の網羅的な聴取を目指し、生活総研の時系列調査「生活定点」で聴取している分野をベースにしつつ、近年デジタル化が進んでいる分野を加えて設定した。
初回となる今回の調査では、全体として情報取得、コミュニケーション、商品売買に関する分野はデジタル比率が高くデジタル化が一歩先に進んでいることが明らかになった。商品などの「少額決済」では、デジタル比率が全体の過半。さらに、「店舗での少額決済」においては「デジタルだけに絞りたい」派の比率が比較的高かった。
生活総研では今後も定期的に本調査を実施し、デジタル化で大きく変容する生活者の行動実態を可視化していく予定としている。
同調査の主な結果は、以下の通り。
生活の各分野のデジタル/アナログ比率
●生活の各分野のうち、デジタル比率が5割を超えたのは「情報取得」や「店舗での少額決済」など4分野。
●デジタル比率が3~4割台だったのは「商品の売買」、「読書」や「誰かとのゲーム」、「イベント参加」「会議参加」など8分野。
●残り17分野はデジタル比率が3割未満だが、「ファッション」、「診療」や「旅行」なども1割前後はデジタル化されている。
●全体として情報取得、コミュニケーション、商品売買に関する分野はデジタル比率が高くデジタル化が一歩先に進んでいる一方、衣食住や学び、恋愛などに関することはまだアナログ比率が高い。
性別での差が大きかった分野
●全般的に男性は女性に比べ、デジタル比率の高い分野が多い。
●特にオンラインでの「試着」や「デート」、「誰かとの動画視聴」や「誰かとのゲーム」などで男女差が大きい。
年代別での差が大きかった分野
●全般的に若い年代ほど上の年代に比べ、デジタル比率の高い分野が多い。
●特に「物品売買」や「子供の授業/習い事」、「コンサート参加」、また「漫画を読む」などで年代差が大きい。
生活の各分野の今後のデジタル化意向
●生活の各分野のうち多くの分野でデジタルとアナログを「両方する方がよい(ハイブリッド)」派が過半を占めている。ただし、「旅行」、「ファッション」、「デート」、「恋愛相手との出会い」、「コンサート参加」については「アナログだけに絞りたい」派が最も多い。
●「デジタルだけに絞りたい」派の比率が比較的多いのは「店舗での少額決済」や「レシピを見る」、「品物の売買」など。