コンサルタントとして入社したアクセンチュア、実装までしたくてエンジニアに転身
前田:確かに担当業務以外でも、様々な場面でITスキルが活きていますね。そこからアクセンチュアへ転職したのはいつ頃になるのでしょうか。
八木:鹿島建設で3年半ほど働いたあとに現在の所属であるアクセンチュアへ転職しました。担当としては、製造業をメインとしたビジネスITコンサルタントですね。
製造ラインに課題を抱えているクライアントに対して現状の分析や改善提案を行ったり、コストセンターになっている部門の業務を棚卸しして業務の最適化や外注化を行ったり幅広いミッションに取り組んできました。
斎藤:今年からエンジニアを担当されていると聞いていますが、何かきっかけがあれば教えてください。
八木:今年の5月から社内のエンジニアロールに転籍して様々な案件に関わっており要件定義から設計、実装までほぼ一人で担当させてもらっています。
これまでのコンサル文脈の仕事だとどうしても上流の構想や戦略立案で終わってしまい、なかなか自分でものを作っている感覚を得られず、自分自身で実装までやり切りたいといった思いから今の部署への転籍を希望しました。
前田:Tech0へ参加した理由はどういったものがあったのでしょうか。
八木:鹿島時代にTech0の代表である濵田さんと話をする機会があったのですが、「日本の大企業にいるビジネスパーソンにテックという武器を与えることで新しいキャリアを切り開いていってほしい。またそうすることで日本全体を良くしていきたい」と話していたことで興味を持ちました。僕としても、テック学習において一番難しい抽象概念をかみ砕いて人に伝えることに自信を持っていたので、協力できる余地があると思い、濱田さんに「仲間に入れてください」と打診して快諾いただきました。
テックスキルはビジネスパーソンの必須要件だ!
斎藤:では、ビジネスパーソンとエンジニアの両方経験されている八木さんから見て、非エンジニアがテックスキルを学ぶことで、ビジネスへどう影響すると思いますか?
八木:これからの時代はそもそも一定のテックスキルはビジネスパーソンの基本要件だと思っています。例えば、人事部門の担当者が人事システムの刷新に携わったとします。社内的な要件の整理だとか外注先への要望はその人とIT部門の方とで協力してやっていくことになると思います。その際に「人事は分かるけど、テック関連は全くわかりません」という状態では、要望→要件→仕様というつながりが切れてしまい、とんでもなくイケてないシステムが生まれてしまうリスクが高いです。導入していざ使ってみたら「勤怠登録に1時間かかっちゃう」みたいなシステムをつくってしまった犯人にはなりたくないですよね。笑
斎藤:それでは、テックスキルを持った人材が社内にいたとしてその企業がDXを加速させるためにカギとなるのはどんなところでしょうか?
八木:テックスキルそのものよりも、それを包括しているテック文化を社内で醸成することがDXを進めるカギだと思いますね。
社内でテックの概念が共通言語になるからこそ、既存のフローを分解、分析して「ここに問題点があるので、ここをテックで解決しましょうか」みたいな会話ができ、DXが進んでいく。テックへの概念理解度を底上げすることがカギだと僕は思っています。
前田:今後の展望とチャレンジしたいことについて教えてください。
八木:直近で目指している姿としては、PdM(プロダクトマネージャー)という名前のロールが近いと思っています。PdMというのは、「ひとつのプロダクトを成長させていく全責任を負う」というかなりシンプルなものである反面、マネジメントやテック、コミュニケーション等あらゆる能力が網羅的に求められるロールだと認識しています。これに対して、自分のスキルセットがマッチしていること、シンプルに面白そうと感じること、社会的需要が高まっているという3点から狙いを定めました。これがチャレンジしたいことです。
ただし、別にPdMが最終ゴールということはなくて、常に今の自分の状態と社会の状態を比較して「行くべき/行きたい方向」にちょっとずつ自分をずらしていくというのが僕の最適化戦略です。これを繰り返していけば、いずれ素敵な場所に至れるだろうというのが展望です!