The Future of TV 「テレビの未来はどこにある!?」-「AWA2024」連動企画④

ニューヨーク、ロンドンをはじめとした世界6大陸で開催されているマーケティング&コミュニケーションのプレミアイベント 「Advertising Week(アドバタイジング・ウィーク)」のアジア版である「Advertising Week Asia(アドバタイジング・ウイーク・アジア)」が9月17日から開催されます。2004年に米国・ニューヨークで始まった「Advertising Week」は、2016年から東京を舞台に「Advertising Week Asia」が開催され、今回は連続7回目の開催にあたる。「Advertising Week Asia」のアドバイザリーカウンシルメンバーや、登壇するスピーカーをはじめとする3名に、今回の「Advertising Week Asia」のメインテーマである「The Future of TV」をテーマに、3つの質問を投げかけました。

イメージ ロゴ Advertising Week Asia

Advertising Week Asia2024」は9月17日~20日の開催。

インターネット広告がマス4媒体総計の売上を追い抜き、さらに成長を続けています。この広告市場のなかで、マスメディア企業、さらにテレビはどのような戦略を描くべきなのでしょうか。

「Advertising Week Asia 2024」に登壇するメンバーを中心に、多様な立場で「テレビ」に関わるキーパーソン3名に一問一答形式で回答してもらいます。

皆さんに投げかけた質問は以下の3つ。今後、各質問に対する皆さんの回答を紹介していきます。3つ目の質問は、「『未来のテレビの姿』、どう描きますか?」です。

Quetsion3:

「未来のテレビ」の姿、どう描きますか?
近未来(具体的には、今から5年後)のテレビはどうなっていると思いますか?「テレビの視聴のされ方」「放送局の在り方」「テレビCMの活用のされ方」など、どの論点での未来予測でも構いません。どの論点を採用されるかをお示しいただいた上で、お考えをご提示ください。

【小野寺さんの回答】

写真 人物 小野寺さん

今後5年間で、テレビの視聴スタイルはオンデマンドサービスやストリーミングサービスが主流となり、放送局はデータドリブンなプラットフォームへと進化し、視聴者体験の最適化が加速すると考えられます。これに伴い、テレビCMもAI技術やデジタルメディアとの統合により、精度の高いターゲティングとパーソナライズが可能となり、広告体験のさらなる進化が期待されます。

2024年9月19日(木)に開催されるAdvertising Week Asiaのスポンサーランチセッションでは、GumGum社およびAbemaTV社とともに「CTVにおける新たな広告体験」をテーマにお話しします。セッションは、本企画にも関連する話題となりますので、皆さまのご来場を心よりお待ちしています。

【蜷川さんの回答】

写真 人物 蜷川さん

従来のテレビの本質的な価値として、健全性があると思います。

多様な人々が格差なく(無料で)、同じ&質の高いコンテンツ体験をして、多様な感情を抱き、コミュニケーションのきっかけとなる。広告主のメッセージがそれに寄り添う。その収益が健全に制作者(出演者・権利者など)に還元され、コンテンツを永続的に作るエコシステムとして存続する。

多様性という名の分断や、質の悪い広告、収益が権利者に健全に配分されない仕組みは、プラットフォーム・サービス・コンテンツ・広告…。すべての価値を維持できなくなると思います。我々テレビ業界は、テクノロジーの進化と健全に向き合い、健全に豊かな世の中に貢献していきます。

【松田さんの回答】

写真 人物 松田さん

技術進化とテレビの視聴のされかたという観点から予測します。

まず、5年後には、AIや通信、ARやVRの技術が驚くほど進んでいます。またリーチ・フリーケンシーだけでなく注視度の計測が当たり前になっています。つまりテレビ番組やCMが「流れたか」ではなく、「見られたか」が計画時にも実施後にもチェックされていると思います。

メディア環境でいうと、フォートナイトのようなメタバース空間は増えます。コミュニティやショッピングモールも現実稼働しているでしょう。通信の進化でモバイル視聴が格段に広がるでしょう。

変化で言うと、映画・ドラマ・ニュース・趣味・ドキュメンタリーなどのアーカイブがより重要になるでしょう。不祥事を起こしたタレントだけを別のタレントに生成AIで差し替えられるので、お蔵に入っていたアーカイブの価値がかなり上がると読んでいます。また人間の仕事の多くがAIやロボットに取って替わり、「人間ができること」「人間がすべきこと」にあらためて注目が集まっているはずです。その時代にフィットした「教育・スキルアップ」がこれまでよりずっと大事になるでしょう。放送局はその創造力、編集力を活かして、こうした時代を先取りすることが求められていると考えています。またテレビCMはメディア環境変化を踏まえた新しいアイデアがどんどん出て活況を呈していると信じています。

■回答者はこの3人!

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小野寺信行氏

電通デジタル
Dentsu Digital Global Center / Manager

国内初のDSPベンダーでキャリアをスタート。外資系アドネットワークおよびSSPベンダーを経て、電通デジタルに参画。参画後から一貫してグローバルアカウントマネジメントに携わり、現職に至る。マネージャーとしてチームを率いながら、DII(Dentsu Inovation Initiative) Connectにも貢献し、グローバルプラットフォームのR&Dを推進中。
※「CTVの新たな広告体験」(9/19 12:00 – 13:00開催)に登壇。

イメージ ロゴ 電通デジタル

イメージ ロゴ tentsu innovation initiative

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蜷川新治郎氏

TVer
常務取締役COO

TVerの事業戦略およびサービス企画開発の責任者。テレビ東京グループのインターネット事業、システム企画開発、配信事業を中心にコンテンツ戦略を10年ほど担当。PPJなどの共同プロジェクトの立ち上げに参加。

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松田康利氏

松田康利事務所
代表取締役

1986年電通入社。営業、人事システム、経営企画、投資ボード事務局などを経験してKDDI(au)に出向。ブランディングや商品開発などに従事。その後シンガタ設立に加わり、シンガタ総研を経て独立し現職。多くの広告主、広告会社のマーケティングアドバイザーを務める。

 

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