伊勢半が渋谷区立中学校の生徒とコラボして「メイクの可能性」を啓発に取り組む

化粧品メーカーの伊勢半は、「眉毛ホームルーム」と名づけた一風変わった体験イベントを東京都渋谷区の区立中学校で行い、中学生101人がメイクを体験した。実施にあたっては、宣伝会議が運営する「日本のメディア」を活用した。

学校でメイクを教えるという難題に取り組む

KISSME(キスミー)ブランドで知られる伊勢半は、耐久アイメイクの「ヒロインメイク」や、自分に合う眉をコーデできる眉メイク専門ブランド「HEAVY ROTATION/ヘビーローテーション」などを展開する、若者向けに数多くの商品を持つ。ドラッグストアなどで、生徒・学生でも買いやすい価格帯の商品として数多く販売している。

中高生でメイクデビューするケースが多いにもかかわらず、多くの学校ではメイクをすることは校則で禁じられており、学校でメイクについて学ぶ機会はほとんどない。

広報宣伝部部長の松本智子氏は、「多様性を大切にする時代において、学校教育におけるメイクは取り残されたまま。女性はもちろん、男性にも、“自分らしさ”を表現する楽しさを知ってほしい」という思いを持っていた。

これまで伊勢半は、ブランドプロモーションとして屋外などでメイクを体験できるイベントは数多く行ってきたが、すそ野を広める意味でも、学校内でメイクに触れられる機会をつくれないか。また男性にもその良さを伝えたいと考えていた。

「眉毛ホームルーム」の企画はこうした背景から立ち上がり、2023年7月に都内の私立中高一貫校で初開催した。それをさらに広げるべく、宣伝会議の持つネットワークを通じて賛同してくれる学校のコーディネートを実施。探していたときに出会ったのが、渋谷区立原宿外苑中学校だった。

「眉毛ホームルーム」で中学生がメイク体験

2024年5、6月にかけて、渋谷区立原宿外苑中学校の全校生徒を対象に、「眉毛」を中心としたメイクの授業「眉毛ホームルーム」を実施した。眉毛ホームルームとは、「私らしさとは何か、多様性とは何かを考える」ことをテーマに、中学生にメイクを知る機会や、メイクを知り自分をさらに好きになるきっかけを提供したいという思いから生まれた活動だ。

同校は「男女ともに参加」「学校内で開催」「マナーではなく自己表現としてのメイクを伝える」ことを受け入れ、さらに「校則としてメイクは認めていないが、自分らしさや多様性を考える機会はとても大切であると感じて今回の授業や共創をお願いした」(駒崎彰一校長)。

対象人数が多かったことから開催は複数日に分かれたが、伊勢半のスタッフが中心となって、会社やブランドの紹介に続き、アイブロウの紹介と使用体験を行った。活動の中心的役割を果たした広報宣伝部の河野恵理氏は「学生の前向きで楽しそうな表情から、年齢関係なく楽しんでもらえると感じた。しかも、男子学生も、茶化すようなことなく、真剣に取り組んでくれた」と振り返る。

学生にメイクの可能性を感じてもらう工夫として、同校の教員にメイクを施して授業の冒頭に登場してもらったことも、生徒にとってサプライズだった。「場が一気に盛り上がりました」と河野氏。さらに続けて「使用した自社の商品の使用感や仕上がりを知ってもらうことが、広報宣伝としての目的でした」と振り返った。

写真 人物 「眉毛ホームルーム」in渋谷区立原宿外苑中学校

「眉毛ホームルーム」in渋谷区立原宿外苑中学校

パラスポーツイベントで「手話メイク」

伊勢半と原宿外苑中学校との関係は、この授業だけに留まらなかった。同校の生徒会が企画・運営して6月8日に開催したパラスポーツ体験イベント「原リンピック」に伊勢半が協賛したのだ。

イベントは、日本で初めて2025年に東京で開催されるデフリンピック(Deaflympics/耳の聞こえないアスリートのためのオリンピック)を地域とともに応援する目的で企画したもの。伊勢半は「KISSMEメイク部」として「手話メイク」の体験コーナーを出展した。

手話は、主に顔の表情と手によるコミュニケーションであり、その際に「眉もと」「口もと」「手元もと」がフォーカスされることに着目。手話との相性がよいメイクを考えるほか、メイク関連用語を手話で学んだり、メイク後の印象を相手に伝える手話を学んだりすることができる。この企画は学生とディスカッションしていた際に生まれたという。

「手話に特化したメイクについては考えたことがなかった。共生社会を目指して活動する原宿外苑中学校との共創だからこそ生まれた発想」だと河野氏。そして「この貴重なアイデアをもとに、伊勢半としても、その可能性に挑んでみたい」と考えている。

写真 人物 中学生のアイデアをもとに「手話×メイク」で多様性を表現

中学生のアイデアをもとに「手話×メイク」で多様性を表現

写真 人物 お互いのメイクの仕上がりを「かわいい」「きれい」といった手話で伝え合う

お互いのメイクの仕上がりを「かわいい」「きれい」といった手話で伝え合う

今回の協賛については、「社会貢献だけで行ったわけではないが、マーケティング活動としてだけ行ったわけでもない」と松本氏。同社が掲げるコーポレートメッセージ「私らしさを、愛せるひとへ。」を体現していること。つまり、共感される理念と、そこに実直である活動内容だったことが、公立中学校に受け入れられ、さらに生徒たちを巻き込んだ共創へとつながった。

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「日本のメディア オファーサービス」プロジェクト

EMAIL:jpm@sendenkaigi.co.jp


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