武内:なるほど。やはり多くの会社は「どこまで定量的に計測・評価するのか」で悩んでいるかと思います。御社独自の取り組みで「偏差値」という評価方法もお持ちかと思うのですが、こちらもご紹介いただけますか?
黒岩:「偏差値」は、特にXにおいて直近取り入れた指標です。従来はインプレッション数を目標としていましたが、プラットフォーム要因での上がり下がりが激しかったため、施策を評価する指標としては適切ではないのではという議論になりました。そこで、競合他社などの月次インプレッション数を計測し、自社との比較を行うことで想定的な評価を行えればと考えています。
武内:まさに、プラットフォーム事情での数字の上げ下げはPDCAを回しづらくなる原因にもなるので、偏差値で相対評価する手法は的を射ているなと思います。他社と比べてSNS上で存在感を出せていること自体も重要ですね。
武内:定量的な施策評価についてお伺いしましたが、定性的な評価はどう行っていますか?
黒岩:定性評価は、施策ごとに行っています。例えば、ある施策でこう楽しんでほしいと想定していた場合、意図した反応をいただけたかをコメントの内容で判断しています。サントリーの公式アカウントはフォロワーが少し多いこともあり、色々なご意見の方にご覧いただいています。そのなかで、皆さまの受け取り方を想像しながら発信することは難易度が高いですが、とても重要なことだと考えています。
武内:お客さまの目線を想像しながらの発信は、コミュニケーションツールであるSNSにおいて非常に重要ですね。では、コメントが集まらず困っている場合、どういったやり方が解決策として考えられますか?
黒岩:2つ手段があるかと思います。1つ目が「フリを作る」ことです。◯◯だったら教えてください、こういった思い出ありますか、など、呼びかけを文中にいれると反応していただける方が増える傾向にあります。
武内:こちらからコミュニケーションを投げかける、ということですね。
黒岩:企業側が呼びかけを記載しないでいると反応をいただきづらくなるので、目線を合わせて対話していく姿勢が重要かと思います。2つ目は広告出稿ですね。対象のコンテンツが好きそうな方に向けて、少額で出稿をかけると、最初に反応してくださる方が増え、呼び水となるかと思います。
武内:ターゲットの方に情報を届けるという点で、本質的なアプローチですね。