「ことば」には世界を変えるチカラがある。
だから、広報という「ことば」を専門にする仕事に、もう20年以上も携わっていることを、とても幸せなことだと思っている。
「ことば」のチカラを測定するのは難しい。
「広報」、「PR」とは、という定義と同様に、PRの効果測定もこの業界では永遠のテーマであり、最近の表現をすると相当はまる「沼」案件である。この本では、そんなPRのゴールのあり方の進化を軸としながら、ステークホルダー、メディア、インターナルブランディング、SDGs、ESG、レピュテーショナルリスクなど、PRの現状や課題が網羅的に取り上げられている。PRに関連する新しいデータを盛り込みながら、業界で話題のカタカナ用語がふんだんに配されていて、広い意味でのPRのトレンドが、私のような広報の実務家が日々の業務で実感していることとギャップ無く理解できる。
PRの進化、という年表をみたら、私がPR代理店にいた2000年代は、まだ、バルセロナ原則「以前」。2010年にバルセロナ原則ができた時は、事業会社の広報部に所属していた。そして2020年、コロナの中でバルセロナ原則3.0が発表された時、すでに今の会社に移っていたが、その後、広報を含む部門がグローバルで「インパクト」チームと呼ばれるようになった。広報のほか、社会貢献を含むESGや、渉外部も同じチームに所属する。
タイトルになっている、これからのPRへの「提言」。企業と人々や社会との深いかかわりを、より包括的で意味のある価値を生み出すものにしていこう。PRに関わる私たちが、周囲を巻き込むリーダーシップと勇気を持ってチャレンジしよう、というメッセージとして心に響いた。
「ことば」のチカラは、実践につながるからこそ絶大だ。
定価:2,200円
(本体2,000円+税)
『新しい「企業価値」を創出する PR4.0への提言』
編著:株式会社 電通PRコンサルティング
本書は、電通グループ内のPR領域における専門会社である電通PRコンサルティングが2020年8月から3年間、月刊『広報会議』(宣伝会議発行)において連載した「データで読み解く企業ブランディングの未来」をベースに、現在、そして来るべき広報の未来に向けて加筆しました。
『PR4.0への提言』は、序章と7つの章で構成されています。序章では、まずPR(パブリックリレーションズ)の進化について振り返ります。PR1.0は情報拡散を目的としたPRとして位置づけ、その後はPRの効果測定の指針として世界的に採択されている「バルセロナ原則」(※)に照らし合わせ、現在、自分たちの、2.0(アウトプットからアウトカム)、3.0(インパクトの評価)としています。そして来るべき「PR4.0」はどこに向かうのかを、本書を通して考察していきます。
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