スーツに見える作業着WWS、営業利益340% 社長が語るヒットの要因

しかし、このカジュアルスーツ需要の高まりと競合の参入が、逆にWWSの追い風になったんです。というのも、市場に同じような商品が行き渡ったおかげで、ユーザーは購入前に比較・検討するようになりました。それによって、また認知獲得に繋がり、復調することができたのです。

競合と差別化を図ることができた背景にあるのは、やはり当社の出自である「水道工事会社」のアイデンティティですね。WWSは少ロットで生産していて、決して安い価格ではないのですが、開発時の想いや機能的な価値に共感して選んでいただいています。

営業利益は前年度比340% 急成長、なぜ実現した?

─16カ月連続で前年同月超えを達成しています。まさに右肩上がりですが、要因は何だったのでしょう。

WWS事業部単体で見ると、2024年度2月期(2023年3月~2024年2月)の売上は、前年度と比較して126%を達成。営業利益は340%を超える結果になりました。2023年3月以降、売上に関しては16カ月連続で前年同月超えと、ありがたい流れで成長できています。

ここまで伸びた背景には、大きく3つの要因があると考えています。1つは、夏用・冬用といった季節商品が、前年の3倍の量を生産しているにもかかわらず、販売後数カ月でほぼ完売になるくらい好調だったことです。3倍の生産量がほぼ完売しているということは、すなわち単純計算で売上も3倍ということ。これが1つ目の伸びた要因ですね。

2つ目は、ターゲットごとにコンセプトを変えて展開した商品が新規獲得に貢献したことです。例えば、“先生にも制服を”をコンセプトに制作した教職員用の「センセイスーツ」、サバイバルゲーム専用スーツ「サバゲースーツ」などですね。他企業とコラボしたニッチなアイテム展開ですが、これが新規獲得に大きな効果をもたらしてくれました。

イメージ 教職員用の「センセイスーツ」

イメージ サバイバルゲーム専用スーツ「サバゲースーツ」

ターゲットを絞った商品展開。教職員用の「センセイスーツ」、サバイバルゲーム専用スーツ「サバゲースーツ」など、ターゲットごとにコンセプトを変えて展開した商品がヒット。新規獲得に貢献した。

その他、インフルエンサーや大手企業とのコラボレーションも成果が出ていると感じていますね。実業家の堀江貴文氏をWWS公式モデルとして起用したり、アダストリアさんのグローバルワークとコラボしたり……。これまでアプローチできなかった新規顧客の獲得に繋がりました。

──新規獲得という話がありましたが、ユーザー全体を見ても新規の方が多いのでしょうか。

お客さまの構成比を見ると、リピーターが約75%です。中でも6回以上購入経験があるユーザーは20%とロイヤルティの高いお客さまも多くいらっしゃいます。

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