なぜゼブラ企業を目指すのか?
選手たちは日々トレーニングに励む一方、社会貢献について考える場を設けている。
しかしゼブラ企業を目指す道のりは決してきれいごとばかりではありません。
特に、フットサルのようなマイナースポーツにおいては、先述の通り、もともと収益性の確保が常に大きな課題です。社会課題の前に自分たちが経済的に自立していない現実をどう受け止めるか。「経済なき道徳は寝言」というワードにバッサリ切られてしまうのか。
さらには国内トップリーグに所属する選手たちにおいては、競技者としてのプライドと社会的な役割の間で葛藤を抱えます。社会貢献の前に競技実績を求めるべきなのではないか――。
この葛藤は、アスリート固有のものではなく、実は多くのビジネスパーソンが抱えるものと同じだと思います。仕事を通じて自己実現を追い求める一方で、社会的な責任をどう果たすかという問題に直面します。
選手たちの姿を通して、私はこの普遍的な葛藤を目の当たりにしました。現実はどうかというと、選手らは、競技者としての自負心を持ちながらも、競技を超えた社会的貢献を果たすため奮闘しています。国内屈指の本物のアスリートだと思います。
小田原お城通りでのシーズン開幕キックオフイベント(2024年4月)。
私たち湘南ベルマーレフットサルクラブは、ゼブラ企業として地域や社会と共存しながら、経済的にも持続可能なビジネスモデルを追求しています。スポーツという価値を再定義し、久光重貴選手の遺志を受け継ぎ、選手やスタッフの葛藤を大切にしながら、道徳と経済の両立を実現させます。
そこを目指すことが、私たちが存在し続けられる意味になると思うからです。