人ではなく組織に知見をためる
──具体的にはどんな仕事をしているのですか?
主にフランス、イギリス、スペイン向けの商品開発に、クリエイティブディレクターとして伴走しています。
今の課題は、サステナブルな組織づくりことですね。よく言われることですが、会社やキャリアに対する考え方がヨーロッパと日本とでは違います。有り体に言えば、スキルを身につけた人がすぐに転職してしまう。だから、どうすれば人ではなく組織に知見をためられるかを考えることも、私がやるべき仕事かなと思っています。
──「伴走」ということは、各国や各国のマーケットならではの知見を取り入れることもあるのでしょうか。
はい。例えば、先日、あるスペイン向け商品のパッケージについての消費者調査をしました。その時、スペイン人のモニターの方が「このデザインはアメリカっぽい」と言ったんです。それも1人じゃなくて、何人も。でも、私はそうは感じませんでした。つまり、スペイン人にとっての「アメリカっぽさ」と、日本人にとっての「アメリカっぽさ」は違うということ。文化的背景を共有する人だけが共感できる感覚があるんです。そういう意味でも、私はここでは徹底的に伴走者であるべきなのだと思っています。
──今後、SBFEで実現したいことは何ですか。
今ある商品を、これまで以上に愛していただける商品にすることです。
サントリーは、ヨーロッパの歴史あるブランドのいくつかを買収し、取り扱っています。例えば、1936年からある国民的炭酸の『オランジーナ』。あるフランスの方が、「今はもうオランジーナは飲まないけど、オランジーナというブランドにはシンパシーを感じる」、と話していたことがありました。自分では飲まないのに、身近なものという意識がずっとある。それほど愛されるブランドはやはり素晴らしいなと思います。
ただ、オランジーナが、サントリーから販売されていることはあまり知られていません。これが、商品について知っていただくうちに、「あ、オランジーナってサントリーの商品だったんだ」と気づいてもらえるようになったらいいですね。そのためにも、私ができることは、お客さまの期待を裏切らない商品開発だと考えています。
──ありがとうございました。
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