TBS、デンソー、クラスメソッド…求職者の心に刺さるオウンドメディアの活用法

いざ「採用広報」に注力しようと考えても、何から始めれば良いか迷う担当者も多いはず。そこで本記事では、オウンドメディアを活用して求職者にアプローチしている企業の運用事例を3つ紹介します。

※本記事は、広報会議2024年10月号の転載です。

放送以外の新施策発信のハブ 企業イメージ変革目指す

TBSのオウンドメディア「TBS INNOVATION LAND」

イメージ バナー TBS innovationland

最新技術の研究・開発を行うTBSの未来技術設計部の取り組みなども紹介。就職活動中の大学生へ向け、同社独自の強みをアピールする機会に。

POINT
TBSが、同局の新たな取り組みや、本社のある赤坂の情報を独自の視点で発信するポータルサイト。最重要ターゲットは大学生で、放送事業以外の取り組みを周知して同局への興味を喚起し、入社意欲の醸成を目指す。TBSのイメージを放送局からグローバルエンタメ企業へ変える狙いも。採用ページへリンクさせるなど、人事部とも連携してコンテンツを制作している。

反響
「主軸事業」以外の施策を外部に発信することで、従業員から取材依頼があるなど、社内プレゼンスも高まっている。

DATA

開設:2022年7月
所管部署(うち担当者数):ブランドコミュニケーション戦略部(3人)
ターゲット:最重要ターゲットは大学生。加えて20代後半~30代前半までの層も
CMS:Kuroco
制作体制:TBSがリリースしている記事や他の施策ですでに制作・発表した記事と、オリジナル記事の2パターンがある。後者のうちグルメ記事などは、地域の経済新聞にも携わる外部ライターが担当。
更新頻度:月10本程度(うち、オリジナル記事は月5本程度)
効果測定:PV数、UU数、回遊率など

学生のフィードバック起点で改善し“伝わる”を追求

デンソーのオウンドメディア「DRIVEN BASE」

イメージ コンセプトに「ハッとして、グッとくる」と掲げ、事業や社員にフォーカスしながらデンソーの思い・挑戦を伝えている。

コンセプトに「ハッとして、グッとくる」と掲げ、事業や社員にフォーカスしながらデンソーの思い・挑戦を伝えている。

POINT
「大変革期」である自動車業界で変化を続けるデンソーの思いや挑戦(ドリブン)を、採用候補者である学生やビジネスパートナー向けに発信。コンテンツ制作では「伝わる」ことを追求し、企画会議に加え月に1度「ビジョン会議」を実施。メディア全体の方向性などを客観的に分析する。また学生へのインタビューを行い、企業に対する生の声を聞きコンテンツに取り入れている。

反響
記事文末にある、感想などを自由に書けるコメント送信欄から、社内外を含め週10件以上のコメントが届くように。読者の感想に加え、企業からの協業の相談なども増えた。

DATA

開設:2022年10月
所管部門(うち担当者数):広報渉外部ブランド推進室(4名)
コンセプト:「ハッとして、グッとくる」
制作体制:社内編集部4名のチーム体制で、記事・クリエイティブ・広告PR・翻訳等を行う。記事・サイト制作、写真撮影は制作会社と連携
更新頻度:月3~4本(英語版も同数制作)
総記事数:約150本(2020年制作分~)
CMS:不使用
効果測定:記事の閲覧時間や読了率、回遊率を中心にデータ取得。メインターゲット層の学生へのインタビューも実施

全社員が編集者 社風とのマッチングの判断材料に

クラスメソッドのオウンドメディア「DevelopersIO」

イメージ 全社での更新体制により記事の累計本数は4万本超え、クラスメソッドの企業風土が求職者自身と合うか、判断軸にしやすいコンテンツとなっている。

全社での更新体制により記事の累計本数は4万本超え、クラスメソッドの企業風土が求職者自身と合うか、判断軸にしやすいコンテンツとなっている。

POINT
クラウドやSaaSを活用したシステム開発・運用などを手がけるクラスメソッド。技術情報を積極的にシェアするエンジニア文化に則り、社員へ「アウトプット」を推奨。全社員がアカウントをもちブログ記事として執筆している。社員別の投稿数や記事のシェア数が公開され、執筆意欲の向上にもつながっている。全社で制作する体制を築き、記事数は累計4万本超え、企業色が伝わるコンテンツに。

反響
「DevelopersIO」はエンジニア業界での認知が高く、採用の応募時に、同社とマッチングするかどうかの判断材料となっている。

DATA

開設:2011年7月1日
コンセプト:技術を「楽しむ」「やってみる」「情報発信する」。Blog it! たった1人、誰かの役に立つことができたなら、それは良いブログ
所管部門:専任部署はなし
制作体制:グループを含めた全社員+少数のゲスト執筆者が投稿。インフラ管理やリスク管理などを含めた運営・運用もすべて有志
更新頻度:約7700本/年(2023年時点)
総記事数:約4万8000本(2024年3月時点)
CMS:Contentful
効果測定:(営業ツールとして)新規案件獲得など、実際のビジネスでの活用度

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