MBA生は、1年目でサマーインターンシップに参加するのが当たり前
前回のコラムでは、20代で米国に留学し、MBAでデータを駆使したマーケティングを学びたいという目標を達成した話を紹介しました。
2年制の一般的なMBAの学生は、サマーインターンシップに参加します。私も、MBA取得後に入社することになるジョンソン・エンド・ジョンソン(日本法人)のサマーインターンの面接を受けました。
しかし、面接の場では口頭で合格をいただいていたのですが、先方の都合で実施自体がなくなってしまいました…。合格と言われた後、卒業後に入社する可能性もあったので、「これから30年働くことになるかもしれないのだから」と長期休暇をとってしまっていました。実はそんなことをしていたのは同級生で私1人だけで、後に就職活動で知り合った日本人の中にもいませんでした。
インターンが実施されないとわかったあと、MBA卒業後に正社員として働くため就活を始めました。フロリダ州オーランドで毎年開催される、インターナショナルMBA学生用の就職カンファレンスに行き、その場でもジョンソン・エンド・ジョンソンの社員の方と話し、数日間にわたる最終面接に呼ばれました。前年に意気投合したマーケティングディレクターはなんと他国に転勤し、新しい方が着任していました。「まずい…ゼロからのスタートになってしまった」と思いましたが、幸いにも面接やその後の食事を通じて新任の彼とも仲良くなり、無事にオファーをもらえました。ヒヤヒヤものでしたが、結果オーライでした。
50歳くらいで好奇心や思考の柔軟性は限界がくる!?
MBAの2年生となり、ほぼマーケティング一色の授業を受けながら、私も将来のキャリアプランを考えるようになりました。当時29歳で、ぼんやりと50歳くらいで好奇心や思考の柔軟性は限界がくると思い、残り20年のキャリアをどう駆け抜けるかを考えました。50歳でキャリアをやり切った状態で引退するには、45歳で最高マーケティング責任者(CMO)になる必要があります。
独自性のある領域や経験、リーダーシップなどCMOになるための条件を書き出し、40歳までに達成すべきこと、35歳までに達成すべきことを書き出しました。そこからは自分自身をブランドに見立て、継続的に競合優位性があるのか、どのようにブランドエクイティを構築するのかを常に意識してきました。
なお、データ重視の時代が来ることは予見していましたが、テクノロジーがこれほどまでに進化するとは思っていませんでした。完全な自己評価ですが、好奇心も思考の柔軟性も思っていたほど衰えていないので、MBA終了後25年が経った今も働き続けています。