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※本記事は月刊『広報会議』10月号に掲載している記事の転載です。
従業員にフォーカスしたコンテンツをつくる際の注意点
ここでは従業員にフォーカスしたコンテンツをつくる際の注意点を4つ紹介します。
①候補者目線を意識する
従業員インタビューの企画・作成では常に候補者目線に立ってください。コンテンツをつくっても効果が出ない失敗原因は主に2つです。
●too general(一般的すぎる)
●too specific(詳細すぎる)
この匙加減ができていない従業員インタビューが多いです。too general(一般的すぎる)は、単に1日の仕事の流れを機械的にしゃべっているだけで内容が薄い、話が浅い状態を指します。仕事の内容をざっくり紹介するだけで深掘りができておらず、候補者が応募するかの判断材料として最も知りたい部分を届けられていないコンテンツです。
逆にtoo specific(詳細すぎる)は、内輪の話に偏りすぎて候補者が置き去りにされる内容。まだどんな業務を行うのか知らないのに具体的すぎるエピソードについて話してしまい、社内の人間なら分かるものの外部から見ると意味が分からず、候補者がついていけないコンテンツです。例えば評価制度について詳しく話すことは、もう入社を決めている候補者の興味は引きますが、そもそも応募しようか検討している候補者にとっては深入りしすぎていることが多いです。
従業員インタビューは常に候補者の気持ちになって質問・コンテンツ作成をすることがポイントです。
②事前にすり合わせを行う
もうひとつの従業員インタビューで失敗しやすい要因が、ぶっつけ本番で取材をしてしまうこと。必ず事前に「誰に何を伝えたいのか」をすり合わせてください。行き当たりばったりでインタビューすると記事にする際「語ってほしかったことはこれじゃなかった」と後悔することがほとんどです。
特に新入社員や初めてインタビューを受ける従業員は緊張してうまく話せず、良い話を引き出せないことが多いです。リハーサルまでは行う必要はありませんが、事前に質問シートなどは送って何を聞くのかは伝えておきましょう。
③重要な部分には写真を入れる
従業員インタビューには特に重要な質問があります。「入社のきっかけ」「仕事のやりがい」「仕事でつらいこと」「社内の雰囲気」などです。これらは候補者が最も気になる情報であり、応募や内定承諾の後押しになります。
重要な質問の部分には写真を入れ、メッセージを力強くしましょう。社内の雰囲気が良いことを伝える場合は、最も良い笑顔の写真を使うと良いです。
④退職者が出ることを想定しておく
退職者が出た場合の従業員インタビューに関しては辞めても掲載を続ける場合が多いです。採用サイトは2、3年に一度リニューアルすることが多いので、その際に更新するケースがほとんどかと思います。
ただし、退職者側から「掲載を取り下げてほしい」「転職先の会社から掲載しないように言われている」などと言われる可能性があります。そのため、コンテンツをつくる前に退職後の扱いは双方で取り決めておきましょう。口頭で確認する場合が多いですが、企業によっては形として残すために、一筆書いてもらうこともあります。
従業員インタビューの有効活用の方法
最後に、従業員インタビューの有効な活用方法を3つ紹介します。読んでもらうターゲットによって発信するプラットフォームも変わってきます。自社の存在を知らないのであればSNSや広告で発信することになり、顕在層であれば企業説明会や求人媒体を経由して読んでもらうことになるので、発信方法が変わってくるのです。
求人媒体にも掲載する
求人媒体や人材紹介サービスを使っている場合は、全文、もしくはURLだけでも掲載(転載)するようにしましょう。より多くの候補者の目に触れるように接点を増やしたほうが効果は高まります。特に求人媒体は文字量や掲載形式がプラットフォーム側で決められるため、候補者が得られる情報が限定的になります。従業員インタビューを掲載することで求人媒体の強化にも繋がります。
SNSで発信する
まだ企業の存在や事業があまり知られていない場合は、SNSアカウントやSNS広告などで発信する方法が有効です。ただし「株式会社〇〇の従業員インタビュー」といったタイトルではクリックされにくいため、引きのあるタイトルや多少のエンタメ性がある内容にすることも大切です。もしSNSからの流入をメインに作成するのであれば、最初からSNSウケしやすい内容を考えましょう。
社内に共有する
従業員インタビューは社内に共有することも有効です。特に部署が多く普段は顔を合わせる機会が少ない企業や、リモートワークが中心でコミュニケーション量が少ない企業に効果を発揮します。顔と名前は分かるけど、どんな人なのかよく分からない人の場合、従業員インタビューのコンテンツを通して、人柄が分かり、全社で集まったときの会話のタネになるなど社内が活発化します。
本稿でお伝えした内容を従業員インタビューの作成に活かし、ぜひ効果的なコンテンツにしてください。
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