「常識を疑う力」を身につける。今、ボーダレス・クリエイティブを学ぶ意味

「境界を超える。クリエイティブで未来をつくる。」をコンセプトに、10月22日に開講する『BORDERLESS CREATIVE SCHOOL』。DEI(Diversity, Equity & Inclusion=多様性、公平性、包括性)視点を持ったクリエイティブを学ぶ本講座の無料体験講座が、8月30日に行われました。

体験講座では、電通 DEIコンサルティングチーム「BORDERLESS CREATIVE」で活躍する、 クリエイティブディレクター/コピーライターの橋口幸生氏、コピーライターの阿部広太郎氏、コミュニケーションプランナー/コピーライターの長谷川輝波氏の3人が登壇しました。3人それぞれの視点で「DEIとは何か」、「DEI視点のクリエイティブをつくるために大切なこと」などについてお話しいただいた内容を、ダイジェストでお届けします。

DEIは、広告クリエイターの仕事そのもの

橋口:DEIというと、お行儀よく振る舞うことや、人の気持ちを傷つけないようにすることと同一視されがちですが、私にとってDEIはそういうものではありません。一言でいうと、「当たり前を疑うこと」だと思っています。そしてこれは、何か特別なことではなく、本来のコピーライターや広告クリエイターの仕事そのものだと言えます。

たとえば、伊勢丹の「四十才は二度目のハタチ。」(1992年)というコピーは、「40歳はもうおじさんだ」という当時の常識を覆し、新しい価値観を提示しました。これは年齢差別を疑ったコピーとも解釈できます。このように私たち広告クリエイターの才能が最も活かせるのが、このDEI領域なのではないでしょうか。

さらに、世界的なヒット作品の多くもDEIの視点を取り入れています。マーベルやディズニーでも、マイノリティとされてきた人々が主役となることが増えています。さらに米国企業であるネットフリックスが、日本を舞台に、日本人キャストによる『地面師たち』を制作し、世界に配信しています。これらはすべてDEIの視点が入っているからこそ生まれた作品です。

そしてこうした傾向は、エンターテインメント業界だけでなく、広告業界へも波及しはじめています。すでに海外では、DEI視点を持った企画を顧客に提案する企業がビジネスとして伸びてきているんですね。

一方で、DEIはカバーする領域も多く、情報が日々アップデートするのでキャッチアップが大変なのもまた事実です。そこで、みんなで学び合える場所があればと思い、この講座の開講に至りました。

きっと、みなさんが持っている「常識を疑う力」はDEIという分野で活かせるはずですので、一緒に学んでいければと思っています。

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