※本記事は『広報会議』2024年11月号 (10月1日発売予定)特集「サステナビリティの情報発信 行動変容を促すコミュニケーションとは?」の転載記事です。
コメ兵は2024年8月、小学生向けに「リユースの重要性」を伝えるイベント「KOMEHYOキッズアカデミー」を開催した。のべ320人が集い、参加した子どもの99%が「来年も参加したい」と答えるなど好評を博した。
小学生向けに開催した「KOMEHYOキッズアカデミー」の様子。宝石を題材とした「資源やリユースについての特別授業」などを実施した。
「リレーユース」掲げた事業推進
大量生産・大量消費・大量廃棄により環境負荷が大きいとして、国際的な課題となっているファッション産業。こうした中、ブランドのファッション用品を中心に中古品の販売・買取事業を手がけるコメ兵は、ビジネスの在り方として「リレーユース」を打ち出している。
「つくる人に敬意を持ち、つなぐ人に感謝し、手にする人に感動を提供する」という思いのもと、「再利用」にとどまらない「良質・価値の伝承」を推進する。
「事業を『サステナビリティ』と無理やり紐づけているわけではなく、日々の活動が結果的にサステナビリティに寄与しています」と語るのは、コメ兵ホールディングスのサステナビリティ推進部と、事業会社であるコメ兵の広報部部長を兼務する吉田浩之氏。
「当社は古くから『捨てることを前提とした消費ではなく、次世代へつなぐことが前提の一時所有』という概念を通じて、物を長く大切に使う文化を推進してきました。その延長として、サステナビリティの施策や発信を進めています」。
「リユースの日」に合わせて実施
このような「リレーユース」の考え方を、次世代を担う子どもにも伝えるべく開催したのが「KOMEHYOキッズアカデミー」だ。「循環型社会を実現していく重要性がます中で、当社と普段接点のない未来を担う世代に向け『リユースは楽しい』『気軽に取り組める』ということを伝えたい、そんな思いがありました」とコメ兵ホールディングス・コメ兵の広報部を兼務する森有希氏は語る。
イベントは、2023年から制定された「リユースの日( 8月8日)」に合わせて実施。主な参加対象は小学校4年生~ 6 年生とその保護者で、夏休みの自由研究の題材としても活用できるコンテンツを準備した。
参加者へ向け「サステナビリティが重要な理由」「パールやダイヤなど宝石は、自然が生み出した貴重な資源であること」「限り ある資源を大切に使う選択肢のひとつ に『リユース』があること」を伝えるとともに、楽しみながら体験できる場づくりにこだわった。
イベント内で、体験型コンテンツを中心に「リユースを身近に感じてもらう機会」の提供を図った。
具体的には「資源やリユースについて学ぶ特別授業」に加え、「宝石の価値 を見極める鑑定士体験」「アップサイクルジュエリーの制作体験」と合計60 分間のプログラムを準備。
中でも人気を集めたのが、“鑑定士の仕事体験” だ という。真珠やダイヤモンドについて、 天然物と人工物の違いを紹介しつつルーペを用いて実際に現物を見極める内 容とした。身近にない仕事を体験できたことで「鑑定士という職業に興味を 持った」といった声も聞かれた。
体験コンテンツで身近に
イベントは当初、新宿・名古屋・梅田にある各 1店舗にて 4日間限定で行う予定だった。だがキャンセル待ちが出るほどの盛況ぶりで、 2日間の追加開催も併せて計6日間で46授業、176組(のべ320人)が参加する結果となった。
イベント終了後に実施したアンケートでも、参加した子どもたち118名のうち、89%が「ジュエリーづくりが楽しかった」と回答し、64%が「鑑定士の仕事体験が興味深かった」との感想を寄せている。
盛況だった要因について森氏は…
続きは、『広報会議』2024年11月号(10月1日発売予定) 特集「サステナビリティの情報発信 行動変容を促すコミュニケーションとは?」からご覧いただけます。
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