オンライン・オフラインを含めた顧客体験の最適化を指す「ユニファイドコマース」体制構築のために取り組むべきこととは。また、販売のDX化は自社にどのようなメリットをもたらすのか。Shopify Japanの徳永真穂氏とAnyMind Japanの作増志郎氏に聞いた。
大手メーカーがD2Cに関心を寄せる理由
━━Shopifyのグローバル展開の現在と、日本市場の状況について教えてください。
徳永:Shopifyは現在、世界175カ国以上で、数百万を超える事業者の皆様にご利用いただいています。日本はその中で重点投資国のひとつで、本国の戦略部門も日本市場に期待しています。
もともとShopifyは起業家や中小企業を支えるためのプラットフォームとして成長してきましたが、今は世界を代表する超大手企業も含めあらゆる事業規模に対応できることが強みです。特に大手メーカーのデジタル化のサポートで、AnyMindとの協業事例が広がっています。
Shopify Japan シニアパートナーシップマネージャー 徳永真穂氏
━━AnyMindのクライアント企業はどのような課題を抱えていますか。
作増:当社は企業のEC・マーケティング全般を支援しており、クライアントであるメーカーやブランド企業は、必ずしもECのチャネルを持っているわけではありません。むしろ卸売業者を経て店舗で販売しているケースの方が一般的ですね。
一方で、消費者と直接の関係性を構築することができるD2Cや、オンライン・オフラインを問わず顧客一人ひとりに最適な購買体験を提供する「ユニファイドコマース」へのシフトに関心を持つメーカーは増えています。当社もメーカーが取り組む新しいチャネル開拓の支援に力を入れています。
AnyMind Japan 執行役員DX&AI事業部長 作増志郎氏
近年は小売の存在感が増しており、その一例としてプライベートブランド(PB)が増えています。卸売が中心のメーカーは競合が増えることで棚を取りにくくなりますし、消費者との接点もないので市場の意向を反映した商品開発が難しいという課題を抱えています。その対策としてD2Cを、という相談が多いですね。
そうしたニーズを持つ企業は、オンラインでの売り方やマーケティングプランの立案、売り場づくりのノウハウなどを持たないことから、ECにおける事業計画や戦略立案から支援をしています。
常に最先端のプラットフォームを使える
━━これからECに取り組む事業者がShopifyのようなプラットフォームを活用することのメリットとは。
徳永:一番は、常に最先端のプラットフォームに乗ることができることです。近年は技術の進歩が非常に早いので、事業者側でその流れを追い、どの技術や販売手法が最適なのかをタイムリーに選別してすぐに取り入れることは、ほぼ不可能です。私たちは、事業者がそれぞれのビジネスの核の部分に注力できるように、バックエンド業務を常に最先端の状態に整えています。実際、R&D(研究開発)には非常に大きな投資をしており、毎日のようにアップデートを繰り返しています。
作増:企業が独自にシステム開発をしようとすると莫大な資金が必要ですが、Shopifyを使えば初期投資は10分の1くらいに抑えることができます。また、グローバル展開の際にもメリットがあります。もともとグローバルで展開しているプラットフォームですから。
技術力とプロジェクトマネジメント力がAnyMindの強み
━━パートナーとしてのAnyMindの強みをどう見ていますか。
徳永:先に述べた通り、Shopifyのユーザーの中で大手企業の占める割合が徐々に高まっています。その際、AnyMindのように事業者をきめ細かくサポートするパートナーの存在が欠かせません。
AnyMindの強みは大きく2つあると考えています。基幹システムのメンテナンスなども含め様々なシーンに対応できる技術力を持っていること。もうひとつはプロジェクトを確実に成功へと導くプロジェクトマネジメント力です。再春館製薬所や飲料メーカーとの信頼関係が構築できていることはその裏付けといえます。
一流のコンサルティング企業と同レベルのプロジェクトマネジメント力を持ちながら、スピード感やフレキシビリティも兼ね備えています。そして「まずやってみよう」と取り組んでくださる。Shopifyには「GSD(Get Shit Done=やり遂げよう)」という合言葉があります。議論に時間をかけるのではなく、まずは活動を進め、やりながら軌道修正していこうという当社のカルチャーにも合っていますし、そのスピード感が信頼にもつながっています。
作増:情報をいち早く仕入れて、困っているお客様にいち早く提案できればビジネスを軌道に乗せやすい。このサイクルが成長につながることを実感しているので、スピード感は大切にしています。
D2Cの構築という視点では、プロジェクトマネジメントからコンサルティング、マーケティング、システム開発に加えて、グローバル展開もサポートできます。特にアジアで強く、外資系ファッションブランドの台湾エリアでの展開も当社でサポートしています。
クライアントのプロジェクトに現場で伴走していくのがAnyMindの特長
デジタルの意識啓発に隠れた効果も
━━これからECを始める、または強化しようとする事業者へのアドバイスをお願いします。
徳永:まずはプラットフォームの選定が第一です。最初は国内市場しか考えていなかったとしても、5年、10年単位でビジョンを描いて、それに対応できる体制のあるプラットフォームを選択することが重要です。その点でShopifyはBtoCでもBtoBでも、または越境ECやそれに伴う複雑な処理にも対応可能です。
もうひとつは相談できるパートナーがいること。ShopifyにはAnyMindのようなパートナーが国内だけで2000社以上あります。各社で得意な領域や強みが異なるので、事業や目的に合ったパートナーを選ぶことができます。
作増:Shopifyは一般的には「ショッピングカート」ですが、企業がDXを進める上で、中心的なプラットフォームになり得ると考えています。どこで何が売れたのか、オンラインかオフラインか、マーケティング施策が機能したのか、といった販売データを一覧することができるからです。DX時代のコマース領域の基幹システムと捉えていくと、さらなる可能性が見えてくるのではないでしょうか。
例えば、再春館製薬所は導入の成果の一つとしてデータの共有が社内で進んだことが良かったと評価をいただいています。大手飲料メーカーは、受発注や決済、データの取り方、貯め方、処理の仕方などを一つひとつクリアしていく過程で、社内にデジタルに詳しい社員が増えていきました。今では逆に、施策の提案をいただくまでになっています。デジタルを学ぶならECを始めるのが一番の近道なのかもしれません。
徳永:こうしたクライアントの成功事例はとても興味深いものが多いです。私たち日本のスタッフは、日本の成功事例をShopifyの他の拠点に発信する役割もありますが、グローバルからも日本の事例について問い合わせが少しずつ増えています。今後はさらに事例の発信が増えていくのが楽しみです。
作増:Shopifyの潜在ユーザーは消費財メーカーに限りません。例えば化学メーカーが行うようなBtoBビジネスの商取引も今後オンライン化が進むと考えています。そうした事業者がShopifyを使い始めることで、ビジネスのあり方が変わることが期待されます。新しい領域の提案にもぜひチャレンジしたいですね。
徳永:BtoC、BtoBともに、デジタルネイティブのミレニアル世代がビジネスの中心層になるにつれ、取引のあり方がデジタルにシフトしていくことは間違いありません。日本にはポテンシャルのある企業が多く、大きなマーケットチャンスがあると考えています。
Shopify Japanとして、グローバルブランドのユニファイドコマースを始めとする、戦略設計やプロジェクマネジメント、EC構築、マーケティング支援については、AnyMind と強く連携していきたいと考えています。今後も活躍に期待しています。
テクノロジーとオペレーションの双方に強みを持ち、顧客のDXをサポート
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DX & AI 事業部
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