博報堂DYメディアパートナーズは、業務提携を開始したDoubleVerifyのテクノロジーを活用した新ソリューション「AaaS with DV」の提供を9月25日より開始した。今回、発表された「AaaS with DV」では、動画配信サービスのブランドセーフティを担保した優良広告面への効率的な配信が可能となる。
新ソリューションの提供に際して、博報堂DYメディアパートナーズ 代表取締役社⻑の矢嶋弘毅氏、同社・取締役常務執行役員/AaaSビジネス推進センター長の安藤元博氏、DoubleVerify Inc. CIOのJack Smith氏、DoubleVerify Japan代表取締役・日本法人代表の武田隆氏が登壇しての記者会見が開催された。記者会見後に、4名に個別取材で話を聞いた。
関連記事
――両社は2024年7月に提携を発表しています。提携、ならびに今回の新ソリューションの開発・発表の狙いについてお聞かせください。
矢嶋:DoubleVerifyさんとは、今年の初めごろから議論を始めました。
博報堂DYグループが2020年12月から提供する「AaaS(Advertising as a Service)は、従来の「広告枠」を売るビジネスから、クライアント企業の方々が広告で得たい「効果」を売るビジネスへの転換を目指すものです。広告投資の効果を可視化し、さらにパフォーマンスを高めることを目指すAaaSがDoubleVerifyさんのテクノロジーと連携することで、パフォーマンスを維持しながら、ブランドセーフティも担保できる環境を提供できると考えたことが提携の背景にあります。
武田:AaaSの「枠の提供から効果の提供へ」というコンセプトは、DoubleVerifyの考える方向性とも合致していたことから、議論が前向きに進んでいったと考えます。
矢嶋:グローバルでビジネスを展開するDoubleVerifyさんとの連携により、AaaSをグローバルスタンダートに近づけていきたいという考えもありました。特にデジタル広告の多くはグローバルプラットフォーマーが提供しているものでもあるので、AaaSにおいてもグローバルスタンダートの実現は目指していくべきことと考えています。
――なぜ、動画広告からソリューションの提供を開始したのでしょうか。
矢嶋:動画というフォーマットが活用される場・メディアは広がっています。デジタルに限らず、従来のテレビも動画というコンテンツフォーマットでは共通していますし、当社のクライアントは、テレビを活用される企業が多い。そうした企業の方々は、テレビだけでなくデジタルを活用し、なおかつ「テレデジ」の投資最適化を実現したいと考えていらっしゃいます。そこで第一弾は、動画広告のソリューションにしました。
――動画広告を流すことのできる場は、デジタルから放送のテレビだけでなく、多種多様に広がっていますが、それらも含めて対象にしていくお考えでしょうか。
矢嶋:はい。CTVやOTT、さらにOOH、DOOHなども含めて、ソリューションを開発・提供していきたいと考えています。
武田:私も同様の考えを持っています。
矢嶋:さらに両社の連携により、例えばテレビとデジタル広告など、共通の指標となりうるものを開発していきたいとも考えています。
最近は、テレビにおいてもインプレッションバイイングなどの仕組みが出始めています。これは欧米の広告業界でも出てきている動きですが、デジタル広告の主軸はグローバルなプラットフォーマーであることを考えれば、ますます共通指標の開発のような取り組みにおいては、DoubleVerifyさんとの連携が必要となります。