DEIの視点を持つと、広告クリエイティブに対する向き合い方が変わる

阿部:自分はコピーライターという仕事をする中で、書いている文章やナレーションの文言ばかりを言葉だと思い込んでしまっていたんです。イベントの中では、手話を使うシーンも出てきます。私はそのことを知っていたのに、書く言葉、話す言葉、歌う言葉、普段自分が使う言葉が言葉のすべてだと思ってしまっていました。この経験で、自分の世界が間違いなく広がったんですね。

そのときにつくったポスターには、言葉を大胆にレイアウトしました。手話で、「求む。これがわかるあなたの力を貸してください」というコピーと、指文字で「ダイアログ・イン・サイレンス」のWebサイトのURLを掲載したんです。

イメージ 広告 「ダイアログ・イン・サイレンス」ポスター

それを見た松森さんからは、「私たちの言葉をこんなに素敵にデザインしてくださりありがとうございます」と言っていただき、胸が熱くなりました。また、2018年度の『コピー年鑑』に掲載されたことも、審査員の方々に手話もコピーになることが伝わったのかなと思えて嬉しかったですね。

同時に思ったのは、それまで私は「コピーライターは自分の中で言葉を完結しないといけない」そんな風に思っていたけれど、自分の外にも答えはあるということ。むしろ実は、外で知ることや学ぶこと、そこから感じることにこそ答えがあるということを感じて、自分を外へ外へと連れ出して、そこから見えるものを大切にするという仕事に対する向き合い方が変わりました。

橋口:DEIとコピーライティングは、すごく似ていますよね。コピーライターは、言われてみればそうかもということを見つける仕事なので、手話も言葉だという発見もまさにそう。見つけるというのは既成概念を疑うことだと思うので、コピーライティングに興味がある人には、どのように言われてみればそうかもということを発見して良いコピーを書く力を上げていくかということも、この講座を通してお伝えできるのではないかと思っています。

DEIとコミュニケーションについて学ぶ
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