“確かな真実”はコピーとしても強い
━━受賞した第61回は、どのようにコピーライティングに取り組みましたか。
河井:私は学生チームで応募したのですが、そのチームの目標がひとり500本応募することでした。メンバーとの毎日の雑談のなかで“What to say”を見出していって、そのあとの時間でひたすら書く、ということを続けました。
見田:私は、61回では「1日1課題に集中して取り組む」という方法をとりました。それまではどうしても書きやすい課題からや取り組んでしまいがちだったので、協賛企業の五十音順に全課題に応募しました。
辻:例年に比べて忙しかったので、1日の中で、数分間だけでも徹底的に集中する時間をとって、そこで出たアイデアをメモ帳に書いていました。そして後日、客観的な視点で冷静に見直しながらサイトで作品応募していきました。
児玉:今回はインプットに時間をかけることを意識しました。まずは企業の情報や課題の詳細を頭に入れました。その場で書くこともありますが、生活している中で自分に対して不意打ちをかけるというか…トイレに行っている時に“考えるぞ”とスイッチを入れる、みたいな感じです。
村木:私はすごく筆が遅いタイプなので、今年は「赤ちゃん本舗」の1課題に絞って50本と、その他の課題でプラス5、6本書きました。
「赤ちゃん本舗」のメインのサイトだけではなく、1店舗1店舗のサイトも見て、この言葉が本当に言いたいことで合っているのかを確かめていきました。コピーを通じてブランドそのものに好感を持ってもらうのか、店舗に好感を持ってもらうのか…といったことも考えました。
牧:私も、村木さんと同じで、ひとつの課題に集中しないと言いたいことにたどり着けないと感じたので、「赤ちゃん本舗」の課題にだけ取り組みました。参加するにあたってコピーライティング力を身に着けたいという目標があったので、最終的に200本弱書いたコピーは、先輩に見てもらいながらブラッシュアップして提出しました。
児玉:皆さんはコピーの勉強ってどんな風にしていますか?私はTCCの『コピー年鑑』などを購入して時間があるときに読んだりしているのですが。
村木:私も『コピー年鑑』や『ACC日本のクリエイティビティ』を手元に置いて、過去事例を参考にすることが多いですね。あとは普段、街中で広告以外でもおもしろい言葉はないかと探しています。店頭には、その場にいる人を動かそうとする明確な言葉が書いてあったりするので参考になります。
河井:コピーの勉強らしい勉強はできていないのですが、大学の授業にも発見があります。私は法学部で政治学を学んでいるのですが、今回シルバーを受賞した「犯罪者はあいさつに弱い。」(江戸川区「江戸川区が『ともに、生きる。』を実現するために、生活者が身の回りの社会課題に取り組みたくなるアイデア」)も、実際にあいさつが犯罪抑制に効果的だというデータを見たからなんです。
村木:“確かな真実”というのはコピーとしても強いですよね。