出身地や高校・大学(さらに学部やゼミ)、新卒で入社した会社など、ビジネスパーソンは誰しも、複数のコミュニティに属しているものです。そうしたコミュニティの中でも、特に10代、20代の価値観が形成されるタイミングで出会った同志との関係は、その後の仕事に対する哲学にも影響を与えるのではないでしょうか。
本企画では、同じ高校や同じ大学のゼミで学ぶなど、実は同じコミュニティ出身で、現在は広告・メディア・マーケティングを中心に、産業界で活躍されている方たちをお招きして、当時の思い出話から、現在のお仕事まで伺っていきます。
「実は、あの人とあの人は同じ高校の出身だった」「大学のゼミの先輩、後輩の間柄だった」などなど、意外な業界内のつながりも見えてきますよ。
第1回は慶應義塾大学の「竹中平蔵研究室」出身のお三方に集まっていただきました。
※本記事には前編があります。
初回の広告界同窓会は「慶應義塾大学・竹中平蔵研究室」です
・PIVOT 代表取締役社長CEO 佐々木紀彦 氏
・サイカ 代表取締役CEO 平尾喜昭 氏
・マザーハウス 代表取締役副社長 山崎大祐 氏
竹中ゼミは“マフィア”!? 真の意味で社会を変える存在となり得るか
――同窓の仲間は卒業後、どのような存在になっていますか。
平尾:僕から見たらすごい人ばかりでシンプルに憧れです。
山崎:「こんなもんか」って感じじゃない?たまに「竹中平蔵ゼミはマフィアだ」と言う人もいますが、何も社会を変えられてはいない。竹中先生が大臣になった50歳になったら「僕もこんなことできるのかな」と思っていましたが、全然ダメだなと思います。“一介のビジネスを、そこそこ成功させた人”のレベルで終わらせず、政策や社会を動かすところまで行かなければいけないよな、と感じます。
佐々木:それは竹中研究室の課題でもありますが、SFCの課題でもありますよね。SFCもそこまですごい人を生み出せてはいない。
山崎:本当に社会を動かそうと思ったら中心・王道に入っていかなきゃいけないのに、アウトサイダー側の心地良さで満足しちゃいがち。
佐々木:野党っぽいよね(笑)
平尾:与党がいない(笑)
山崎:僕たちは竹中先生からそこを学ばなきゃいけないですね。
――今後の事業展望についてお聞かせください。
山崎:ファッションの世界は欧米が中心で、限られたアメリカやヨーロッパのブランドが牛耳っています。僕たちはこの三角形を逆にして、途上国から世界に通用するブランドをつくること。文化の中でファッションはトップランナーですし、この領域を変えると人々のマインドも変わるはず。そのために欧米進出、今はアメリカでの事業を成功させたいと思っています。
佐々木:遅くとも2030年までに、影響力・信頼性・収益力・永続性の点で「PIVOT」を「日本を代表するビジネスメディア」としての地位を確立したいと考えています。日本のメディア業界は1953年にテレビが誕生して以降、テレビの支配、つまりはテレビ局を保有する新聞の支配が続いてきました。変わってこなかった日本のメディア業界をドカンと変え、ビジネスと経済のコンテンツを増やし、日本人全体の経済のリテラシー上げていくことにも寄与したいです。
平尾:マーケティング領域はPDCAのC(効果検証)ができず、PDCAを回せないと長く言われてきました。サイカのソリューションによって、この最後のピースを埋めにいきたいと考えています。MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)による量の最適化と、CMM(コンシューマー・ミックス・モデリング)というサイカ発の分析手法による質の最適化によって、PDCAするためのピースが揃う。これをデファクトスタンダードにしていき、マーケティングにおけるプラットフォームの礎になっていければと考えています。
竹中研究室の活動風景
2014年秋 Open Research Forum(佐々木さん)
2014年夏 ミニカンファレンス(山崎さん)
2010年冬 諭吉像前にて(平尾さん)
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