先端テクノロジーを組み合わせ、32年前にマーケターとして考えたキャリアプランを完成させる

同年10月から、アクセンチュア ソングにおいて、多種多様なクライアントのマーケティング戦略全体を担当する、マーケティングプラクティスのマネジング・ディレクターとして働き始めました。アクセンチュア ソングでは、先に述べたようなテクノロジーに日々触れつつ、戦略コンサルティングやテクノロジーなど、アクセンチュアの他組織とも密接に連携しながら、マーケティング領域にとどまらないクライアントの根本的な課題解決を目指しています。まさに、コンサルティング会社であるアクセンチュアならではの楽しさだと感じています。

マーケティングにおいて生成AIでカバーできる領域は非常に広く、データ解析や言葉の理解、顧客対応、広告クリエイティブの展開など多岐にわたります。その証左として、今年6月にフランスで開催されたカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでは、アクセンチュア ソングのCEOであるデビッド・ドロガと米OpenAI社CTOミラ・ムラティ氏の対談があり、広告クリエイティブにおける生成AIのありかたを議論していました。

生成AIの新しい活用にも取り組みたいとは思っていますが、クライアント側のマーケティング戦略や組織変革も同時に行わなければ継続的な成長は見込めません。単に生成AIを使うだけではなく、マーケティング組織としてどのように組み込んでいくか、またその過程の課題は何でどこから始めてどう進化していくかが重要になります。

振り返って改めて感じる、ネットワークの大切さ

あらためて振り返ると、人とのつながりの重要性を感じています。アメックス在職時に世界的なCMO組織であるCMO Clubの日本立ち上げのサポートや初代チャプタープレジデントをしていました。そこで知り合ったCMOやCDO(Chief Digital Officer)の皆さんとはビジネスに関係なく、定期的にお会いしてマーケティングの話をしています。
これまで積み重ねてきた自分の経験とCMOネットワーク、アクセンチュア ソングで日々体得している先端テクノロジーの知見などを組み合わせ、クライアントのビジネスの成長にCMOのパートナーとして貢献する。これは自分にしかできないと思っています。32年前に立てたキャリアプランを昇華させたものだと考えています。

キャリア構築は、組織に依存するのではなく自分自身で計画を立てて知識や経験を組み立て、構築することが必要です。次の5年、10年はどのような世界が来るのだろうか。その時代に自分のブランドに独自性を持つために今何をすべきなのか。中長期的な理想として、自分の好きな領域や得意なことを仕事として選べるようになるにはどうしたら良いか。それを考え、そのための努力を継続することが重要です。

このコラムでは、読者の皆さまがマーケターとしてのキャリアを戦略的に構築するためのヒントになればと、5回にわたり私のキャリアを紹介してきました。会社は自分のキャリアを作ってくれません。自分のキャリアの目指すべきノーススター(北極星)を決め、そのキャリアを伸ばせる会社を選択し、仕事や継続的な学習を通じてその時代に応じた修正もしながらキャリア構築をしていっていただきたいです。

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友松 重之(アクセンチュア ソング マネジング・ディレクター)
友松 重之(アクセンチュア ソング マネジング・ディレクター)

電通Y&Rでキャリアをスタートし、米国でのマーケティングMBA、その後J&J、日本コカ・コーラ、GEでブランドマーケティング職に従事。ヤフージャパンでのマーケティング本部長を経て、マーケティング投資分析で世界有数のMarketShare社 アジア代表を務める。2016年5月 アメリカン・エキスプレスへ入社し、デジタルでの新規カード会員獲得、商品、テクノロジー開発の責任を持つ職責を担う。The CMO Club東京チャプター初代プレジデント、2023年10月より現職のアクセンチュア ソングへ。

友松 重之(アクセンチュア ソング マネジング・ディレクター)

電通Y&Rでキャリアをスタートし、米国でのマーケティングMBA、その後J&J、日本コカ・コーラ、GEでブランドマーケティング職に従事。ヤフージャパンでのマーケティング本部長を経て、マーケティング投資分析で世界有数のMarketShare社 アジア代表を務める。2016年5月 アメリカン・エキスプレスへ入社し、デジタルでの新規カード会員獲得、商品、テクノロジー開発の責任を持つ職責を担う。The CMO Club東京チャプター初代プレジデント、2023年10月より現職のアクセンチュア ソングへ。

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