これまでの広告会社、事業会社でのマーケティング職で培った学びと経験を活かして、次はさらなる企業の成長・再生に挑戦していきたいと思ったのがきっかけです。
サンマルクカフェを選んだ理由は、私自身がスターバックスに在籍していた頃から、よくアシスタントや後輩と利用していて親しみがあったからでした。サンマルクカフェのパンはお店で焼き上げるスタイル。いつも焼き立てのおいしいパンを食べることができる価値は、魅力だと心から感じていました。ここなら私の経験や知見が活かせるのではないか。そう思い、お声がけをいただいていたサンマルクカフェを選んだという経緯です。
当社は2018年に経営の支柱だった創業者を亡くして以来、低迷してしまっていました。さらにそこに襲ったのがコロナ禍。外食産業からすると、本当に厳しい状況に立たされることになったと言えます。外を知っている人材と、サンマルクで活躍してきた人材で立て直しを図ろう。これが、社長就任時に持っていた思いでしたね。
──社長としてサンマルクカフェを見たとき、今までお客さまとして利用していた頃と比較してのギャップは感じましたか。
私が利用していた当時のサンマルクカフェには、本当にいろいろなメニューがありました。コーヒーやパンだけではなく、かき氷、ドリア、その他多くのフードが存在していたのです。
たくさんの選択肢があることは良い点なのですが、「何を売る店なのか」「お客さまに何を届けたいのか」が今ひとつわからないような印象がありました。POPを見ても、「新商品」とは書いてあるのですが、その他のメニューも羅列されており、何をおすすめしたいのかわからないのです。
メニューが多く、お客さまにたくさんの選択肢を提供することは悪いことではありません。しかし、メニューがたくさんあることによって、店舗スタッフのオペレーションもスムーズにいかなくなることも考えられます。実際に入社してみるとそれが起こっていたので、まずはサンマルクカフェが「何を届けるのか」を明確にすることにしました。
サンマルクカフェ 鎌田社長。
「強みを見つけた先に会社の成長」社内外問わず発信・浸透を図る
──サンマルクカフェが「何を届けるのか」は、どう決めていったのでしょうか。
先ほども言ったように、当社には経営のカリスマ的存在の創業者がいました。社長としての私の使命は、創業者がどのような想いでサンマルクカフェを経営していたのかという理念を理解し、受け継ぎ、再生させることです。そのためにまずは、「何を届けるのか」。すなわち、会社のミッションや強みを社員全員で共有する必要がありました。
強みがわかれば、それを強固にするための戦略と戦術が立案できますよね。要は会社を成長させるための核を担うものを、どう社内で大きくし、社外に発信するかを決められるんですよ。だからこそすぐに全社会議を開き、強みを見直すために議論しました。
そこで出たのが、店内調理で焼きたてのパンといった鮮度の高い商品を提供できる「ベーカリーカフェ」という軸。それは当社の「レストラン」としてのDNAから生まれたものです。実はサンマルクは、カフェとしてではなく、レストランとして創業しています。おいしいものを届けたいという気持ちこそ、サンマルクカフェと創業者の想い。この想いがあったからこそ、―――
本記事の続きは、月刊『販促会議』10月号 連載「シン・トップの現場力」にてお読みいただけます。続きはこちらから。
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