人気を集めたのは、千葉工業大学 未来ロボット技術研修センター fuRoの四足歩行型「絶望ロボット」だ。歩行や走行、さらには障害物を避ける動作を実演し、その精密さと滑らかさが示された。デモンストレーション中には、千葉工業大学未来ロボット技術研修センター所長の古田貴之氏によって、AIが自ら学習し、意思決定を行うプロセスについても解説された。
ロボットのデモンストレーションでは、千葉工業大学 未来ロボット技術研修センター fuRoの、AIを搭載した四足歩行型「絶望ロボット」が、歩行や走行、さらには自身の判断で障害物を避けたり、起き上がったりする動作を実演。
古田氏は「これからの時代に必要な考え方は、ロボットにAIを与えるのではなく、育てたAIにボディを与えるということ。ロボットはAIにボディを与えるための存在となり、AIが実社会で活動するためのインターフェースとなる」とコメント。また、AIによるデータ解析がリアルタイムで行われ、ロボットが状況に応じて適切に行動を変える様子が視覚的にも理解できる演出とした。
田部井氏は、「参加者がAIとロボティクスの融合による未来の可能性を感じられるような展示を心掛けました」と、視覚的・体感的に訴える演出へのこだわりを語った。
「画づくり」への柔軟な対応
また記者発表会の準備段階では、企画から広報部門が積極的にかかわり、メディアが求める「画づくり」の要望へ柔軟に対応することも徹底。要望に応じて追加のデモンストレーションを実施したほか、各社が自由に撮影できるフォトセッションの時間も設けた。多様な映像ニーズに対応した結果、報道量・質を高める一助となった。
こうした工夫により、設立記者発表会の反響は非常に大きく、多くのメディアに取り上げられた。発表会の模様はテレビや新聞、ウェブメディアで幅広く報道され、特にAIとロボットの実演が視覚的に大きなインパクトを与えた。結果的に、発表会後の1カ月半で50社以上の企業とのビジネス商談が開始され、同社の事業拡大に大きく寄与した。
GMOインターネットグループ グループ広報部マネージャーの新野貴史氏はこの反響について「私たちの技術に対する期待の表れであると感じています。多くの企業との接点が生まれ、これからのビジネスに大きな可能性が広がっています」と語った。またパートナー企業からも、会見の場でロボットを紹介できることへの前向きな反応も寄せられたという。
展示会での印象的な演出
2024年9月に開催された展示会「Japan Robot Week 2024」には、GMOインターネットグループとして初出展した。「AI♡ROBOTs~GMOの共創が動き出す~」をテーマに、GMO AIRが中心となり、同展示会で最大規模のブースを展開。パートナー企業と連携し、全7社10種類のロボットを展示し…
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『広報会議』2024年12月号(11月1日発売予定)
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