――新卒ではコンサルタントとして働かれていたそうですね。
大学時代、経営コンサルティング会社の方が講師を務める授業を受けました。そこで、さまざまなフレームワークを使って論理的に解決策を導き出す姿に憧れ、就職先にコンサル業界を考えはじめました。他の業界より、何倍も速く成長できる気がしたのも惹かれた理由です。加えて「ITの時代が来る」という予感があり、ITコンサルとしてPwCに入社しました。最初の1年は研修を行い、フレームワークはもちろん、マーケティング、戦略立案、システム構築、プログラミングまで、幅広い分野の基礎を築けました。
エキップ D2C推進部長 兼 コーポレート戦略本部システム部長
鳥橋葉子 氏
大学卒業後、ITコンサルタント、ITエンジニア、マーケティングコンサルタントを経て、2004年に日本ロレアルに入社。化粧品ブランドのデジタルマーケティングとCRMを推進。2018年からsubsclifeでマーケティング部長兼事業アライアンス部長。2020年、花王グループの化粧品メーカー・エキップにD2C推進部長として入社。2022年よりシステム部長を兼務。これまでの知見を活かし社内のデジタル領域を統括。
――基礎力がついたところで転職を考えたわけですね。
はい、いま振り返ると転職回数は多い方かと。でも常に自分が興味を持てるか、価値を還元できる場かを大切に、仕事と向き合ってきました。
入社から2年で初の転職をして、元上司が起業に携わったITベンチャーでWebメディアの立ち上げを手伝いました。UIデザインやプログラミング、Webマーケティングのスキルは深まりましたが、このままITの道を突き進むことに不安を覚え……。2002年にコンサル業界に戻り、マーケティングや事業創造に強いオーディーエスに入社。入浴剤のコンセプトづくりや、電報サービスの需要を伸ばすプロジェクトに参加しました。少人数のチームで、上司やお客さまにも対等な立場で意見が言えて、やりがいを感じていました。
ところが、師匠のような存在だった上司が退職。その方が今後の私の成長を考え、日本ロレアルを転職先に薦めてくれました。私も「そろそろ事業サイドの仕事に挑戦したい」との思いが芽生えていた時でした。