電通は、調査期間は2024年8月26日~9月2日にかけて実施した、「イマーシブメディアに関する調査2024」の結果を公開した。本調査は国内電通グループ横断でXRテクノロジーに関するプロジェクトを推進する「XRX STUDIO」を主体に、全国10~59歳の10万人を対象に実施された。
2023年までは「メタバース」を調査対象としていたが、今回の調査では、3DCG技術を用いた仮想空間でのコミュニケーション概念(ゲーム、メタバース、拡張型広告など)を「イマーシブメディア」として定義。聴取対象となったメディアは、海外・国内の主なゲーム型・交流型などの8つのイマーシブメディアと、その他メッセージサービスや動画配信サービスなど主な7つのSNSとなっている。
日本におけるイマーシブメディアに関する認知・理解度や利用状況の把握、今後の浸透策や活用方法の検討を目的として実施された。
【調査結果のサマリー】
まず、認知度についての設問では、主なイマーシブメディアサービスのうち、いずれか1つでも知っている人は過半数を超えた。年代別では10代が約9割(89.8%)で最も高く、年代が上がるにつれて低くなった。また、主要なSNSの認知率は全世代で9割を超えた。
Q. あなたは代表的なイマーシブメディアのサービスやSNSを知っていますか。
利用経験の有無についての設問では、イマーシブメディアサービスの利用経験者は全体では20.8%であるのに対して、10代のみの場合は65.3%と高く、その他の世代の平均の約5倍の割合を見せた。また、1サービスあたりの1日の平均利用時間については、SNSは46.6分という結果であるのに対して、イマーシブメディアが59.8分と13分も長くなった。
Q. あなたが知っている代表的なイマーシブメディアのサービスやSNSについてお聞きします。あなたはそれらのサービスやSNSを利用したことがありますか。
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービス、SNSについてお聞きします。あなたがそのサービス、SNSを利用する場合の利用時間は1日あたりどれくらいですか。以下のサービス、SNSごとに教えてください。※1日に複数回利用することがある場合は、その合計時間でお考えください。
イマーシブメディアサービスの楽しみ方についての設問では、上位3つは「ゲームをするための場として楽しむ」(78.9%)、「チャットや通話をしながら楽しむ」(73.7%)、「同じ場所に集まって一緒に楽しむ」(72.0%)。いずれも現実世界での友人知人と共に楽しむ方法が上位に挙がった。
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービス※についてお聞きします。これまでにそれらのサービスを利用する中で、経験(けいけん)したことのある楽しみ方にあてはまるものを教えてください。
コンテンツの制作経験についてでは、イマーシブメディア利用者のうち約5割が、アバターやワールドなど3Dコンテンツの制作経験者と回答。中でも多かった世代は20代で23.2%が「よく制作している」と回答した。
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービスについてお聞きします。あなたはこれらのサービス内でアバターやワールドなどの3Dコンテンツを制作したことはありますか。
今回の結果について、電通は「イマーシブメディアの現在の利用者の割合は10代が最も高い一方で、3Dコンテンツ制作経験者は20代・30代の男性の割合が高くなっているのは、スキルや開発環境の問題が関係していると考えられる。今の10代が自分のPCを保有する頃には、技術革新によって開発も容易になり、より多くの良質な3Dコンテンツが供給されることで、イマーシブメディア市場が一層拡大していくと考えられる」とコメントしている。