「伝わる言葉」の下ごしらえ ベストセラー著者 山口拓朗氏に聞く!

月刊『宣伝会議』が主催する公募広告賞の第62回「宣伝会議賞」では、11月5日まで作品を募集しています。締め切りまであとわずかのラストスパート企画として、「ことば」に関わるプロフェッショナルの方々とのコラボ動画を配信します。
 
第3弾は、伝える力【話す・聞く】研究所所長の山口拓朗氏。『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)や『思い通りに速く書ける人の文章のスゴ技ベスト100』(明日香出版社)など、「伝わる文章の専門家」である同氏に、伝えることの解像度を高めるという切り口で、人の心を動かす広告コピーのつくり方について話を聞きました。

「伝わる言葉」を作るためには、2つの視点が重要だと山口氏は指摘する。

ひとつ目は「自社が伝えたいこと」、つまり企業や商品・サービスの魅力を明確に捉えること。2つ目は「受け手の視点」、すなわち広告を受け取る顧客目線での考察だ。

孫子の「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉を引用しながら、彼=顧客の考えや受け止め方と己=自社の魅力を十分に理解できていれば、良い広告コピーができるはずだ、と話す。

では、顧客と自社への理解を深めるためには、どうすればよいのか。山口氏によると、「まず拡散が重要だ」とのこと。これは、自社の商品やサービスの魅力、競合との差別化ポイントなどを、コピーに活かせるか活かせないかは関係なく、とにかく書き出してみること。同時に、顧客側のニーズや課題、不安、不満なども書き出していく。

ここで特に重要なのが「ベネフィットの明確化」。商品やサービスの特徴ではなく、「それを使う側が得られる利益や効果を明示することが重要だ」と強調する。また、ベネフィットも考慮しつつ、「読んだ人にどんな気持ちになってほしいか」というゴールを設定することが、コピーライティングにおいては大切だと話す。

さらに、時代感覚の重要性にも言及。例えばコロナ禍では「今のあなたのままでいい」といった内向きな言葉が響いたのに対し、現在は活動的でポジティブな言葉がより響くようになってきているという。現代は変化の激しい時代。そのなかで世の中の潮流や価値観の変化を常にキャッチしておくことの重要性を説く。

続いて、天才的な閃きを待つのではなく、大量のアウトプットとインプットのサイクルを回し続けることが重要だと山口氏。プロの編集者の中にはひとつの本のタイトルを1000個考える人もいると紹介し、「質の高いコピーを生み出すためには、まず量をこなすことが大切だ」と強調する。

最後にまもなく締切が迫る「宣伝会議賞」について、「言葉を使って世の中に影響を与えたい人にとって、これほど最適なチャンスはない」と述べ、挑戦することそのものが自己成長につながると語った。

――本対談の全編は、宣伝会議公式YouTubeにて公開中です。是非ご覧ください。

第62回「宣伝会議賞」の応募はこちら

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