JAMSSとの共同研究では、ISSの微小重力環境下において、安全で衛生的な「節水型シャワー」の技術的実現性を検討。技術実証を行った上で、2030年前後に商業宇宙ステーションなどでのサービス提供を目指す。
「宇宙シャワー」のデモ機構
JAMSSはこれまで培ってきた有人運用やインテグレーション技術、サイエンスは独自の「ファインバブル技術」を宇宙シャワー開発に生かす。宇宙空間では地上以上に節水が重視されるため、少ない水で効果的に洗浄できる「ファインバブル技術」が役立つとしている。
2023年11月に沖縄県宮古島において、本研究の先駆けとなるバルーンを使用した成層圏からの模型落下試験を行った。シャワーブースに見立てたカプセルを地上約3万メートルまで上昇させ、落下時の微小重力状態(疑似無重力)において、ミラブルの吐水機構からの水の吐水と、その状態観察や吐水された水の吸引に成功している。
「2025年大阪・関西万博」の大阪ヘルスケアパビリオンでは、身体を自動で洗浄する「ミライ人間洗濯機」のほか、ブース展示として宇宙でのシャワーをイメージした出展も行う。
青山会長は「民間の宇宙旅行時代は思った以上に早く訪れると思う。需要も限りなく見込める」と期待を込めた。試験研究や装置開発を進め、求められる品質と活用性を探求し、宇宙生活関連技術のトップランナーを目指す考えだ。
「ミラブル技術ロゴ」。Mの文字に、MIRABLE技術は「液体」と「気体」の流れをコントロールする技術であるという意味が込めらている。
同社のシャワーヘッド「ミラブル」は、4月時点で累計販売台数150万台を突破。4月26日には世代ごとにターゲットを絞った新商品「ミラブル爽」「ミラブル潤」「ミラブル艶」の3種類を発売した。今後、「ファインバブル」を独自技術で発展させた「ミラブルテクノロジー」を介護、医療、農業など様々な分野で導入していく方針で、10月に既存のコーポレートロゴに加えて、新たに自社技術を証明する「ミラブル技術ロゴ」を決定した。