イギリスを拠点とする非営利団体D&ADは、クリエイティブ・アワード D&AD 賞の2025年度の詳細について発表した。
2025年度D&AD賞応募サイトより
本年度 D&AD 賞では従来の部門に加えて、クリエイター・コンテンツ部門を新設した。この部門は、インフルエンサーやクリエイターがクリエイティビティを戦略的に活用し、ブランドに成功をもたらしたものを表彰する。
2024年に話題になった米国スキンケアブランド「CeraVe」の「Michael Cerave」キャンペーンに代表されるように、欧米ではインフルエンサーのアイデアやエンゲージメントによってブランドキャンペーンが成功する事例がここ数年増えている。同賞では昨年まで、広告分野の部門(PR, Digital Marketing等)においてインフルエンサーの活用というサブカテゴリーを設定していた。しかし、インフルエンサー活用によるキャンペーンはその人の認知度によるところが大きく、他の事例と同じ基準で審査するのが難しいという判断から、本年度から別の部門を設けることになった。この部門の受賞対象はインフルエンサーやクリエイターを活用もしくは、共同企画したクリエイティブ会社やグループとなる。
また、近年エントリーが増加しているブランディング部門をこれまでのデザイン分野から独立させて再構成。ニュー・ブランド・アイデンティティ部門とブランド・アイデンティティ・リフレッシュ部門として新設する。ブランディング部門は、2024 年には900 作品以上ものエントリーがあり、より専門性の高い審査を維持するため新設に至った。これにより、D&AD賞は全44部門となる。
その他に、「カンパニー・オブ・ ザ・イヤー」と「プレジデンツ・アワード」の特別賞も設けられる。
審査には、Pentagram、Monotype、TikTok、Saatchi & Saatchi、The New York Times Magazine、VML、Framestore、Common People Films、Ogilvy Health、Publicis Groupe Germany など、グローバルで展開するブランドやエージェンシーのクリエイティブ・エキスパートがあたる。日本からは、Takram CEO 田川欣哉氏がプロダクトデザイン部門長を担当する。
12月23日には、 JAGDA(日本グラフィックデザイナー協会)と共同主催でトークイベント「英国 D&AD 賞、受賞作/審査員から見たデザイン審査の現場」を開催。木住野彰悟氏(2016 審査員/JAGDA東京会員)と丸山新氏(2022審査員)が登壇する(要事前申し込み)。世界のグラフィックデザインの潮流や欧米のグラフィックデザインと日本におけるアプローチの違いなどについて話をする。
また、D&ADでは2024年度の入賞作品を紹介するデジタル年鑑を10月にオープン。こちらでは、78カ国から1万2000を超えるエントリーの中から選ばれた受賞作とショートリストを無料で見ることができる。
本年度の応募受付は、12月4日(早期受付:エントリー費 20%オフ)から。締切は、 2025年2 月5日となる。なお、フリーランス、正社員10名以下の企業はエントリー費30%オフが適応される。またフェスティバルと授賞式は、2025年5月21~22日にイギリス・ロンドンのサウスバンク・センターで実施予定だ。