ソニーは、裸眼で立体空間を視聴可能なディスプレイ「空間再現ディスプレイ(SRD)」のソフトウェア開発キット「SDK2.4.0」を10月にリリースした。SRDはVRゴーグルやヘッドマウントディスプレイを使わずに、高解像度の3Dモデルを表現でき、商品展示やイベントなど様々な用途で活用されている。新しいSDKによって、複数のSRDを組み合わせたマルチディスプレイ設定が可能になったほか、視聴者数や視聴時間などの定量データを記録できる視聴者ログ取得機能が追加された。
複数のSRDを組み合わせて様々な表現方法が可能。4台をつなげた「グリッド型」では迫力のある視聴体験を提供
2020年に発売したSRDは、主にデザイン現場や医療分野を中心に利用が広がっている。従来の大型模型展示におけるスペースの制約や制作・輸送コストのほか、リニューアルの困難さといった課題を3Dモデルに置き換えることで解消できる。3Dデータをソニーの無償アプリ「Spatial Reality Display Player」でインポートすることで手軽に表示できる。
三菱重工は、CCUS(CO2回収・貯留・利用)に関する大規模展示会において、CO2活用の取り組みを紹介するためにSRDを活用したところ、展示の目玉となり、集客につながった。
イベントでも有効活用でき、メタバースサービスを提供する「HIKKY」は、メタバースイベント「VketReal2024Summer」において、会場に設置したSRDを通じてバーチャル空間のVtuberとコミュニケーションできる「イマーシブストア」、3Dで商品が浮き出る「3D on 2D広告」を導入。通常の物販コーナーと比較して、一人当たりの購入単価は30~40%増と大幅に伸長した。